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  コンビニ店の経営が儲からないと嘆くFC加盟者の中で、自動販売機のオーナビジネスに乗り換える人が増えている。売上の大きさではコンビニに適わないものの、店舗やアルバイトの人件費、それに自分の労力を差し引いてみると、自販機オーナーの魅力がみえてくる。
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コンビニ経営者と自販機オーナーとは
どちらが儲かるのか?
written in 2007/6/10

 街中をほんの2、3分歩いただけで、深夜でも光々と照明が灯ったコンビニにたどり着くことは容易だ。それもそのはずで、全国には約4万店舗ものコンビニがあり、郵便局の数(約2万4千箇所)よりも多い。各コンビニ店を経営しているのは、本部と契約をしている独立したオーナーだが、彼らの年収はサラリーマンと同じか、それよりは少し高い程度で、自らが開店時の借金を抱えて、24時間体制で働いていることを考慮すれば、決して恵まれているとはいえない。当初の見込みよりも儲からないとあって、数年後には閉店を決意するオーナーも多いことから、コンビニ各社では常に新たな開業希望者を募集している。

そんなコンビニ業界にも大きな変化が訪れている。これまでの人海戦術による店舗の運営から、機械による自動化を目指そうという動きだ。店員がいなくても会計を済ますことができる“セルフレジ”を導入するだけでも人件費を大幅に削減することができる。将来的には無人で24時間営業できる店舗にすることが目標である。しかしその頃には“コンビニ”のコンセプトも大きく変化していて、我々は仕事の昼休みにわざわざ店まで出かけて弁当を買う必要がなくなるかもしれない。

先頃にはam/pmが飲料以外に弁当や雑貨まで販売する「無人コンビニ」を始めて話題になったが、これは自動販売機でコンビニ商品を売るというシンプルなものだ。しかし自販機を設置するのは、多くの利用が見込まれる企業オフィスの休憩コーナーなどで、その設置場所に応じて品揃えを変えるのが特徴。この方法なら、わざわざコンビニ店舗まで歩いて行かなくても、社内の一角が簡易コンビニとして利用できるわけだ。しかしこの発想は特に新しいものではなく同じようなコンセプトで自販機による無人店舗を展開している業者が他にもいくつかある。たとえば、SGホールディングスグループの佐川アドバンス(株)では、大型の自動販売機と、ピークタイム(昼休み時など繁忙になる時間)だけ人が対面販売する売店とを併用したミニコンビニ「S"MART」を展開している。

また自販機メーカーのフジタカでは、自販機とキオスク端末(パソコン機能)を一体化させた次世代型の自販機を開発している。同社製の「ウィンドースター」では、商品を売る代わりに、取次ぎを行う“ロボット受付”とでも呼べそうなシステムが提案されている。クリーニングの無人取次ぎロッカーシステムと同じで、写真プリントの受付とお渡しを24時間自動で行うものだ。いわば人間のアルバイトの代わりに、眠らずに働くロボット店員を雇うということになる。

さらに自動的に在庫をチェックして本部に連絡できる機能を持った自販機も登場するなど、自販機自体が独立した無人店舗として機能するようになってきている。人間に代わって自販機が販売オペレーションを行う、つまり自販機がロボット店員であり店舗そのものになりつつあるというわけだ。かつてオンラインショップが登場した時、小売業に第二の革命が訪れたといわれたものだが、無人コンビニを始めとする自販機のロボット店舗化は、新たなビッグウエーブを小売の業界にもたらそうとしているのだ。

しかし今回のテーマとして扱うのは自動販売機のテクノロジーに関することではなく、技術の進化に伴って小売業やサービス業が“副業”として無人で行えるという点である。自動販売機の進化版を「ロボット店舗」というならば、その店舗オーナーは現在のコンビニ店長のように24時間働き詰めになることはなく、アパートやコイン駐車場の大家のように、不労所得として利益を得ることができる。すでに欧米では「自販機のオーナーになることが今後の最も賢い副業」として専門誌等で紹介されているが、実際のところはコンビニ経営よりも儲かるのだろうか?
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この記事の核となる項目
 ●FCビジネスから自販機オーナービジネスへの転機
 ●自販機オーナービジネスの業界構造について
 ●街の自動販売機はどれだけ稼いでいるのか?
 ●種類別にみた自動販売機1台あたりの売上高
 ●自動化するコンビニ店舗〜ロボット店舗オーナービジネスへ
 ●欧州から生まれた無人コンビニの発想
 ●ロボット店舗へと向かう自販機ビジネス
 ●オーナービジネスとして展開される米国のATM端末
 ●自販機オーナービジネスの仕掛け人と管理ビジネス
 ●人件費軽減と深夜営業の導入で需要が高まるセルフサービス端末
 ●流行の影でだぶつく業務用中古ゲーム機を再利用したリース事業


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 ●レジとコンビニ店員に特化した業務請負サービスにみる新市場
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