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  酒場などでよく見かけるようになったダーツマシン。ダーツも歴としたスポーツだが、これが流行した背後には仕掛け人の存在がある。ダーツの競技人口が増えることでダーツマシンも売れるというわけだが、そのカラクリがどうなっているのかを解説。
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少子高齢化の時代が求める
アマチュアスポーツ事業への着目
written in 2007/4/11

 銀盤の上を華麗に舞うフィギュアスケートの選手達が活躍すればアマチュアのスケート人口が増える。サッカーワールドカップの開催年にはサッカー人口が増えるのと同じだ。アマチュアのスポーツ市場は人気プロ選手の活躍に多大な影響を受けているが、アマチュアの人口が多い競技であるからこそ、その頂点にいるトップ選手には大手のスポンサーが付いて華やかなプロとして生活ができる。つまりスポーツビジネスは、アマチュア競技者がピラミッドの底辺を支えているからこそ成り立っている。

ところが、いまアマチュスポーツの世界に異変が起こっている。少子高齢化の影響を受けてアマチュア競技者の層が変化しているのだ。ゴルフ業界の話でいえば、1992年の市場規模(約2兆8千億円)をピークとして、その後は衰退の一途を辿っている。その背景には接待ゴルフが減ったということもあるが、それ以上に深刻なのがプレイヤーの高齢化である。ゴルフ場に行けば50歳以上のプレイヤーばかりが目立ち、20代、30代で新たにゴルフを始めようとする人が少ない。いまやゴルフ市場もシニアビジネスの域へ入り込もうとしている。金銭的に余裕があるシニア層がゴルフを楽しむことは決して悪いことではないが、「高齢者向けのスポーツ」という色が付いてしまうと、年寄り臭いイメージを嫌がって市場全体が衰退してしまう懸念があるのだ。

しかしアマチュアスポーツの振興は国策としても重要な課題だ。高齢者人口の増加に伴い、シニア層でも気軽で安全に楽しめる新たなスポーツの開発と普及が求められているし、ひ弱になってしまった現代っ子の心身を鍛えるためにもスポーツは役立つ。言い換えると「アマチュアスポーツの振興=社会事業」であり、そこには国の予算(税金)も投下されやすい。しかし国が新しいスポーツの種目をゼロから作ることまではできないため、民間のスポーツ団体を後方から支援していこうという役回りだ。そこに気付くとアマチュアスポーツというのは社会的なバックアップを受けて十分に事業として成り立つはずである。

日本サッカー協会のように、アマチュアからプロまでのプレーヤーを束ねて事業化に成功している例もあるが、アマチュアスポーツ全体でみれば、草の根的な活動を商業ベースに乗せるノウハウというのはまだ欠落しているのが実情。しかし、だからこそアマチュアスポーツ事業にチャレンジする意義はある。一つの新しいスポーツを世に広めることは、社会事業という観点から公的な支援を受けやすいし、競技人口が増えればその周辺で様々なビジネスの種が生み出せる。欧米では子供から高齢者までが参加できるニュースポーツとしてウォーキングやマラソンが見直されていて、そこに目を付けたベンチャー事業も登場しているが、これから有望なアマチュアスポーツはアウトドア分野だけには限らない。
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この記事の核となる項目
 ●公的施設と助成制度に着目したアマチュアスポーツ事業
 ●ダーツブームの仕掛け人から学ぶスポーツ団体の収益モデル
 ●アマチュアスポーツを商業化したダーツの業界構造
 ●協会組織によって事業化されるダーツビジネス
 ●誰でも設立できるスポーツ協会の運営ビジネス
 ●酒場を巻き込んだダーツビジネスの利権争い
 ●酒場にエレクトリックダーツマシンを普及させた仕掛け人の存在
 ●遊びをスポーツに昇華させるプロセスとニュースポーツ開発の視点
 ●健康志向のニュースポーツを起こすベンチャー事業
 ●日本初のストリートボールリーグに挑戦する起業家の視点
 ●華やかさの裏側で意外と厳しいプロスポーツ選手の収益構造
 ●学習塾が新規事業として参入する「子供向けサッカー教室」の採算


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