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  従来の医療は「病気になった体を治療する」というものだったが、Health 2.0といわれる今後の医療、健康サービスは「病気になる前兆を事前に察知する」という予測型のものに進化している。そこで鍵となるのが、日々の健康状態を数値データとして管理できる各種の健康機器の開発である。
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病気を治すことから察知することへ変わる
Health 2.0の兆し
written in 2006/11/23

 「体が疲れている感じがする」「毎晩あまりよく眠れない」と漠然とした体の不調を感じている現代人は多い。生活習慣病、不眠、うつ…このいずれも、忙しい現代のライフ/ワークスタイルによる疲労やストレスの蓄積、無理が大きな原因となっていることは間違いないだろう。そうはいっても実際問題として、自分がどれだけ疲労しているのか、ストレスがどれだけ貯まっているのかはなかなかよくわからない。

自分の体の状態を詳しく把握できるのは年に一度の定期検診の時くらいで、普段から自分の健康状態を正しく知るための方法というのは意外と少ない。そのため「病気になってから病院に通う」というのがこれまでの常識になっていたが、今後は「病気になる前に、その兆候を察知して予防する」することが新たな医療、健康サービスのテーマとなる。この新たな動きが欧米では「次世代の健康市場=Health 2.0」としても注目されている。自己流の健康法をあれこれ試す人が増えているのもその流れの一つだが、欧米ではもっと科学的に日常の健康状態を数値化して管理することが「次世代の健康市場=Health 2.0」として注目されている。

いかに多くの人がが自分の健康状態をチェックしたいと思っているかは、平成16年に厚生労働省が働く人の疲労蓄積度チェックリストをウエブサイトで公開した途端、アクセスが殺到してダウンしたことによく表されている。しかしこのチェックリストは「イライラする」「不安だ」「落ち着かない」といった各項目について自己診断するだけの初歩的なもので、自分の疲労度やストレス度を科学的に判定できるものではない。Health 2.0における健康状態のチェックは、各種の健康健康センサによって身体のデータを計測して、医師やトレーナーがモニタリングすることで、予測される病気を未然に防ごうとするものだ。

近頃では厚生労働省がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)のリスクを国民に指摘して、生活習慣病予防への警鐘を鳴らしている。その流れを受けて中高年のスポーツクラブ入会者が急増するという動きもみられる。じつはそれと「Health 2.0」の流れにも密接な関係が隠れている。
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この記事の核となる項目
 ●健康状態を数値化するセンサー技術の進化
 ●睡眠の状態を計測する健康センサーの動向
 ●ストレスを測定する健康センサーの動向
 ●ウェアラブルコンピューティングによる健康管理
 ●無意識のうちに繋がる次世代の健康ネットワーク
 ●深夜帯営業の裏側で成長する従業員向け不眠対策ビジネス
 ●在宅健康管理サービスと赤字化する健康保険事業の深い関係
 ●新素材の金脈発掘に奔走する健康業界と究極の若返り市場
 ●玉石混淆の健康サービスが生き残るための医師との協業ビジネス
 ●自宅と病院を結ぶ遠隔診療への期待と新しい健康ビジネス


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