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商品の値崩れを防ぐ工場直販ルートの構築と ワンプライス制の導入 |
written in 2006/11/6
買いたい商品の型番をネット検索して一番安いショップで購入したら思いがけず遠方の業者でびっくりしたという経験をしたことはないだろうか。価格の条件だけでいくと、東京の消費者が家電製品を九州の業者からオンライン購入するといったケースが最近では増えている。どうしてそういうことが起こるのかといえば、地方の業者はオンラインショップ運営をするにあたっての家賃や人件費のコストを東京の業者よりも安く抑えることができる。そのため同じ条件で同じ商品を仕入れるのであれば、経費が安い分だけ地方業者のほうが売価も安く設定できるのだ。
そうはいっても神奈川の工場で生産された製品を熊本の小売業者が仕入れて、それを東京在住の購入者に発送するというのは、やはり非効率なことをしている。、商品の供給元であるメーカーでも値崩れの原因となるため、そのような売り方は好まない。ではどうして全国の小売業者によって同じ商品の売価が変わるのかといえば、流通経路の中で売り先が見つからずに眠っている在庫があるためだ。無駄な在庫が流通経路に一切存在していない状態ならば、商品は値崩れを起こすことなく常に一定の価格相場を維持することができる。
レクサスが今年9月に発売した旗艦モデルの「LS」は約1ヶ月で1万2千台の受注を獲得したというが、ここで注目すべきことは1千万円近くするクルマを一切値引きなしで販売しているということだ。ライバルとなるベンツやBMWなど欧州車の場合は、輸入するまでに時間がかかるという特性上、国内の正規ディーラーがあらかじめ在庫車をストックしておくために、在庫状況が過剰になればディーラー側の判断で百万円以上の値引きをして売りさばいてしまうということがよく行なわれている。
一方、現代の花形商品である薄型テレビはワールドカップ以降の値崩れが激しい。家電量販店での37型液晶テレビの売価は今年8月からの3ヶ月間で5万円以上も値下がりしているし、ネット通販で購入するのであればそれよりも更に3万〜5万円も安く買うことができる。そこまで価格が値崩れしてしまう理由には、はやり在庫の問題が影響している。
最近では商材やメーカーによって「値崩れするもの」と「値崩れしないもの」の違いが激しく、その差が業績にも大きく影響している。しかも消費者はネットを上手に使いこなすことにより、自分の住んでいる地域に関係なく「全国で最も安い店」からお目当ての商品を購入することができるようになっている。その中でメーカーや小売店がビジネスの目標とすべき着地点はどこにあるのだろうか?
(注目の新規事業一覧へ)
●在庫問題を逆手にとる薄型テレビの賢い買い方
●家電製品におけるメーカー直販の可能性
●在庫を持たない家具業界の工場直販ルートの工夫
●販売店ネットワークを活用した工場直販セール
●アマチュアセラーの急増を後押しするドロップシップ業者の台頭
●Web2.0のeコマース革命(オンライン小売業の発想転換と原点回帰)
●在庫保有日数の短縮化で考える"儲かる体質"のショップ経営
●eコマース市場成長への鍵を握る「商物分離」の流通構造とは
JNEWS LETTER 2006.11.6
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