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SNSの収益源として浮上する 紹介報酬制度の仕組みとリスク |
written in 2006/11/6
ソーシャルネットワーク(SNS)がネットに登場しはじめたのが約2年前のことだが、早くも乱立の様相を見せている。招待された者だけが参加できるという新しい発想のコミュニティは、若い世代を中心にして爆発的に会員数を増やすこととなった。しかしそのビジネスモデルは会員数に依存した広告収入が中心で、SNSという“資源”をビジネスにどう活用していくかについては、依然として決め手に欠けている。
それゆえ、招待による参加のみとしていては成長に限界があるとして、招待を不要としたオープン登録制のSNSも登場している。会員数が2000万人とされる世界最大のSNSであるマイスペースもオープン型だし、草分けであるリンクトインも今では誰でも登録できるようになっている。日本でも、今まで外部に対して非公開だったSNS内のコンテンツ(ブログやコミュニティなど)をオープンにする動きも出てきている。
SNSをビジネス活用した事例としてよく挙げられるのが米国のリンクトインで、単なる友人の社交場ではなく、仕事に必要な人材を友人の紹介(推薦)という裏付けをもって獲得できることを目的としている。仕事のプロフェッショナルがSNSのメンバーになっているから、メンバーがする人材の推薦は、“プロによるプロの紹介”として、下手な人材紹介サービスを使うよりも確かな人材確保に繋がるという考えに基づいている。いちはやく求人に特化したことで、求人情報の掲載料(投稿一本につき95ドル)という収益モデルを確立しているのも他のSNSに見られない特徴だ。当初は招待制で現在では誰でも登録できるようになっているが、雇用されるには友人の推薦が必要としていて、オープン化に伴う質の低下を防いでいる。
■LinkedIn
一方最近目立ってきている傾向に、参加メンバーに対して“マネタイズ”(お金にする)の機会を与えるとしたオンラインコミュニティやSNSが登場しているということがある。マネタイズの主な方法は、企業に対して「自分の友人を紹介する」というものだ。企業はこれまでの営業活動の中で、新規の顧客を獲得するために多額の広告宣伝費をかけてきたが、コミュニティの中で友達を紹介してくれたユーザーに対して“紹介料”を報酬として支払うほうが費用対効果の高いことに企業は気づき始めている。ブログに張られたアフィリエイトリンクもその一つといえるが、Web2.0的な手法を使えばさらに高度な紹介ビジネスが展開できるようになる。
そのため欧米では「リフェラル(referral)=紹介」がネットビジネスにおける新たな収益モデルとして注目されていて、「あなたの友達を紹介しくれたら報酬をお支払いします」という呼びかけに反応するユーザーは多いのだが、この種の紹介プログラムにはいくつかの落とし穴が潜んでいる。
(注目の新規事業一覧へ)
●リクルート分野から始まったWeb2.0型の紹介ビジネス
●H3.comの報償金システムによる求人の仕組み
●結婚相手を探す新たな紹介プログラムの可能性
●エスカレートする紹介・斡旋ネットワークへの警鐘
●報酬制度によって決まる紹介ネットワークの優劣
●健康分野の権威と捉える医師の人材活用と紹介サービスの可能性
●報酬条件によって変わる口コミ情報の信憑性と真の口コミ伝道師
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JNEWS LETTER 2006.11.6
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