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一人っ子家族の増加が崩壊を招く 家計の収益構造と介護問題 |
written in 2006/8/22
明治の日本女性が生涯で産んだ子供の数は平均で4〜5人。当時は兄弟の数が6人、7人という家も珍しくなかった。それが現在では出生率が1・26という水準にまで下がっている。現代では3人以上の兄弟は珍しく、標準は2人兄弟だが、次第に“一人っ子”の割合が増えている。このまま少子化が続くことを前提に試算すると、10〜15年後には「子供の数は一人」という、一人っ子家族が標準的なモデルになると予測されている。
《1組の夫婦が産む子供の数》
1977年 |
1982年 |
1987年 |
1992年 |
1997年 |
2002年 |
2005年 |
2.17人 |
2.16人 |
2.16人 |
2.19人 |
2.10人 |
2.04人 |
1.98人 |
※結婚して10〜14年経過した夫婦を対象に調査した平均出生数
※出所:出生動向基本調査
子供が何人ほしいかという価値観はそれぞれの夫婦によって異なり、一概に何人だから適正という答えはないものの、一人っ子の増加が経済に与える影響というのは少なからず存在している。一人っ子は両親からの愛情を一心に受けることができて幸せという見方がある一方で、人口学的にみると彼らが大人になった時に一人で二人の親を支えるというアンバランスな構図が待ち受けている。その先に待ち受けているのは介護の破綻問題だ。
中国では爆発的な人口増加を食い止めるために“一人っ子政策”を推進させたことは有名な話。その効果として子育ての忙しさから開放された新しい世代が、都市部での仕事へ情熱を傾けて目覚ましい経済の発展を遂げている一方で、これから数十年先には“超高齢化社会の到来”という深刻な時限爆弾を抱えてしまっている。
なにも一人っ子ばかりの家庭ばかりを問題視するわけではないが、将来の標準的な家族構成として、一人っ子家族のライフスタイルや消費行動の特徴、そして介護に関する問題を分析してみることで掴める問題点や経済の転換点は数多い。そしてその延長線上では、一人っ子であるがゆえに、これまでとは違った生き方や仕事を選ばなくてはいけないという過酷な問題にもぶちあたる。そんな時代に備えて、親の立場でも特別な準備をしておくことが必要になっている。
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JNEWS LETTER 2006.8.22
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