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占い師に代わる
人生のリスクを科学的に診断するビジネス
written in 2006/8/10

 手相占いといえば、人生経験豊富な占い師が大きなルーペでお客の手のひらをまじまじと見て鑑定するというのがこれまでの常識だが、現在ではスキャナーを活用した電子的な占い業も登場している。コピー機をやや小振りにしたサイズのスキャナー台の上に手のひらを乗せてスキャニングすると手相を電子データとして読み取ることができる。これをデータベースにかければ、統計学的にその人の性格や健康面を言い当てることができるというものだ。このような科学的な眼を持つ占いマシンはゲームセンターの新たな稼ぎ頭として注目されている。

もちろんこれまでの占い師には人生相談のカウンセラー的な役割を担っているため、その人間的な部分がまったく用無しになってしまうことはないだろうが「もっと科学的な占い結果がほしい」という潜在的な需要があることは事実だ。

企業が求職者の採用や人事異動の際に、じつは占いに頼っていたという噂はよく聞くが、これは占い自体が悪いというわけではなく、占いの方法に客観性や科学的な根拠のないことが問題なのだ。生年月日と血液型だけで、その人の人柄すべてを判定してしまうことには異論も多いと思うが、その人の筆跡からおおよその性格を読み取ることは科学的にできる。また入社試験として適性テストを実施する会社は多いが、これは占いを科学的にしたものと考えても差し支えない。“その人”についてのデータを客観的に収集して、それを分析することによる診断は「科学的な占い」といえるものだ。

科学占いのデータサンプルとして使えるものには、適性テストの解答内容の他にも、筆跡、顔写真、音声など、その人の個性を特徴付けるものが挙げられるが、その延長線上にある究極的なものとしてDNA情報が注目されている。人間の適正や健康リスクを科学的に診断するためのサービスは、医療の分野に限らず、人生の進路を決める上で重要な指針として活用されていくことになりそうだが、その裏側では巨額の利権ビジネスが動いている。
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この記事の核となる項目
 ●“性格占い”を人材開発に採用する企業
 ●殺到する求職者に向けたオンライン適性テスト
 ●オンライン適性テストによる人事選考の流れ
 ●人生のリスクを科学的に占う時代の夜明け
 ●DNAテストサービスの仕組み
 ●遺伝子特許の利権が絡むDNAテストの業界構造
 ●DNAテストサービスの仕組みと利権構造
 ●履歴書の大量送付が招くリクルート市場の変革と新ビジネス
 ●変化する給与体系の中で求められる個人の能力査定サービス
 ●在宅健康管理サービスと赤字化する健康保険事業の深い関係


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