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ロハスに向けて流行る量り売り商法にみる 小売店の新たな役割 |
written in 2006/4/19
消費者が店頭でどの商品を購入するかを選択するポイントとして、商品のパッケージ(外箱や外観)が大きな影響力を持っていることは否めない。消費者は店頭で商品の中身を確かめることができないため、そのパッケージから様々な情報を読み取り、他の商品との優劣を判断している。そこで各メーカーは商品の箱のデザインや色遣いなどには細心の注意と工夫を払っている。商品の中身に大きな特徴がなくても、パッケージのデザインが魅力的なことからヒットした商品は少なくない。
そのため、商品パッケージを専門とする有名デザイナーも存在している。彼らの収益構造は、基本デザイン料に加えて、その商品が実際に売れた数に応じてデザインのロイヤリティが入ってくる仕組みとなっているため、手掛けたパッケージがロングセラー商品となれば、名実ともにデザイナーとしての地位を高めることができる。
しかしこれを逆の立場から見ると、消費者が支払う購入代金の中で、商品の中身とは関係のない外観にかかるコストを負担している割合は高い。生涯で一度しか買わないような贅沢品であれば凝った外観のパッケージも悪くないが、消耗品として継続的に使うものであれば、華美な包装やパッケージにかかるコストを購入の都度に負担するのは避けたいと考えるものだ。また食品であれば、家族構成や食事スタイルの変化によって、消費する分量は各家庭によって違いがあることから、必ずしも箱詰めされた商品ばかりが好まれるわけではない。
そこで感度の高い消費者を中心に、欲しい商品を必要な分量だけ必要なときに購入するスタイルが見直されている。かつて醤油や味噌を買うときには、近所の店で必要な分量だけ売ってもらったものだが、それと同様の“量り売り”が欧米ではロハス(LOHAS)層を中心に再び人気化しはじめているのだ。量り売りショップを利用することが、無駄なゴミを増やさない環境面に配慮した賢い消費者として注目されている。
その一方で「量り売り」を商売として見た場合にも、従来の箱売りにはない特徴が利益率を好転させる利点があることから、国内でも各種の量り売りショップを開業させる動きが出始めている。その動向と仕組みについて迫ってみたい。
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JNEWS LETTER 2006.4.19
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