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  「ボランティア活動」というと無償で行う印象が強いが、報酬(給料)をもらって働くことと、 無償でボランティア活動をすることの大きな違いは、与えられた仕事に対する責任感である。そこから責任感のあるボランディア従事者として「有償ボランディア」の影響力が増している。
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営利企業の商圏を脅かす非営利団体と
有償ボランティアの影響力
written in 2006/1/20

 健康と環境問題に高い意識を持つロハス(LOHAS)層を中心に、ボランティア活動への参加が熱を帯びてきている。国内でもロハス的なライフスタイルは富裕層エグゼクティブ層の間に浸透してきているが、社会的に地位の高い人ほどボランティア活動へ参加する意欲が高い。

ロハスの価値観が生れた米国では、もともと学歴や所得の高い人ほどボランティア活動を積極的に行うことが常識となっていて、この方面での調査研究を手がけているNPOであるインディペンデントセクターの調査によってもそれが裏付けられている。同団体は隔年で米国における寄付とボランティアの実態を調査し、その結果を公表している。2001年の発表では全米の世帯の89%が寄付を行い、成人の44%がボランティア活動を行っているとしている。また以前の調査では、年収が2万ドル以下の世帯に比べて4万〜5万ドルの層の方が寄付およびボランティア活動に関わる比率が高いこと、大卒者の方が高卒者よりボランティアを行う割合が高いことなどが報告されている。

米国ではボランティアへの参加が尊敬すべき行為として評価されていて、活動に参加した実績が大学入学や就職に際して有利に作用するなど、ボランティアに対する社会的評価はかなり高い。富裕層やセレブともなれば、その活動がイメージづくりに大きく影響している。そういった事情もあって、ロハスの流行がボランティア活動と結びついていく流れは必然的なものと言えそうだ。

ボランティア活動を単なる社会貢献、奉仕活動と捉えてしまえばビジネスとの接点が見つからないが、いま米国で注目されているのは、ボランティア活動に参加する人達のマンパワーを活用して、民間企業並みかそれ以上に質の高いサービスを提供していこうとする動きだ。「ボランティア」といっても、無料奉仕ばかりではなく、有給で労働力を提供する「有償ボランティア」の形態が注目されている。有償ボランティアを活用することで、民間企業と同等のサービスをする団体も登場していることから、企業にとってボランティア団体が商売敵になることも視野に入れておくべきだ。
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この記事の核となる項目
 ●拡大するボランティア人材のリクルーティング事業
 ●有償ボランティアという労働力が商用サービスに与える影響
 ●有償ボランティアが支える非営利会社の動向
 ●非営利ビジネスが切り崩す民間企業の商圏
 ●“非営利”を逆手に取る新たな起業モデルについて
 ●最大の退職者団体AARPに学ぶ団体運営ビジネスの急所
 ●寄付金集めのプロとして活躍するファンドレイザーの役割
 ●企業がNPOと手を組む社会貢献マーケティングによる販売戦略
 ●世の中に貢献する社会起業家の使命と、それぞれの収益構造


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JNEWS LETTER 2006.1.20
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