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好きな分野で物作りの夢を実現させる ガレージメーカーとしての起業 |
written in 2005/12/15
今ではIT業界を代表するまでに成長したマイクロソフトやアップル社も、始まりは小さなガレージ(車庫)であったことはよく知られている。自宅の小さなガレージスペースからでも、世界に羽ばたく大企業へと成長させることは決して夢ではない。インターネットによって起業の環境は二十年前、十年前よりも飛躍的に進化している。
小売業(物販)の世界では、低迷するリアル店舗経営の中で「オンラインショップ」という業態が救世主として登場した。ネット上のバーチャル店舗であれば、リアル店舗を開業することの百分の一以下のコストでも、全国を商圏としたビジネスを展開することが可能だ。それと同様に、物作りの分野においても「ガレージメーカー」と呼ばれる小規模メーカーがネットを足がかりとして多数登場しはじめている。その名前が示す通り、ガレージ程度のスペースを作業場として自社ブランドの製品を生み出している業者だ。日本では自宅の一室を製造拠点とするガレージメーカー(個人製作者)も少なくない。
メーカーというのは本来、大規模な工場や設備を持たなくては製品を供給することが難しいという常識があるが、材料や部品を調達することさえできれば、自宅を作業場として自分ブランドの製品が生み出せる分野というのはたくさん存在している。典型的な例として、ひと昔前のパソコン業界には多数のガレージメーカーで占められていた。アップルやデルなどは、まさしくガレージ出身のメーカーとして現在の地位を築いている。パソコン部品はほとんど 100%を外部から調達できるため、それら部品の選択と組合わせ方で独自ブランドの製品にすることができる。
ガレージメーカーが人気化している背景には、大手メーカーがコストダウンを重視して意図的に品質の向上を抑えているような事情があることも起因していて、同じ価格設定なら、「自分のほうが高性能なものを作ることができる」という腕自慢の個人ユーザーが試作品を自作して、それを自身のサイト上やネットオークションに出品する形で人気に火が付くという流れがみられる。各分野の上級ユーザーになるほど、大手メーカーの製品に不満を抱いていることが多いことから、「品質の高い製品を安く提供すること」ができれば、それを支持してくれる顧客をガレージメーカーが獲得することは可能。物作りが好きな人であれば、そこを起業テーマとして狙ってみることも有意義だ。
(注目の新規事業一覧へ)
●量産品にはない手作り感で勝負するガレージメーカーの魅力
●低価格を実現したアイピースのガレージメーカー
●町工場からも参入することが可能な最先端ロボットの開発市場
●大人が充実して遊べる趣味市場に向けた商機の掘り起こし方
●製造業の海外移転で失われる下請工場との信頼関係と隠された技術
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JNEWS LETTER 2005.12.15
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