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見直される“職人の仕事”と後継者育成
事業継承に絡む商機
written in 2005/6/6

 子供がなりたいと思う職業から「サラリーマン」が消えて久しい。第一生命が1989年より全国で12歳以下の子供を対象にして実施している「将来なりたい職業について」のアンケート結果によると、バブル崩壊頃の1991年を最後にサラリーマンという項目がなくなったという。常に上位を占めているのはスポーツ選手で、おもしろいことに昨年は学者・博士が浮上した。大工や食べ物屋さんといった職人系はすでに常連だ。学者が上位に入った理由は、昨年の青色LED訴訟が大きく話題になったことが影響しているとみられる。

《大人になったらなりたい職業(2004年) 》
    ●男子●女子
    1位:野球選手1位:食べ物屋さん
    2位:サッカー選手2位:幼稚園の先生
    3位:学者・博士3位:看護師さん
    4位:大工さん4位:学校の先生
    5位:食べ物屋さん5位:ペット屋さん
    6位:お医者さん6位:花屋さん

    ※調査対象 全国の未就学児及び小学生(1〜6年生)
    ※出所:「大人になったらなりたいもの」アンケート調査(第一生命)

一方、高校や大学を卒業した若者の中でニート(NEET)と呼ばれる「職に就かない若者」が増えて、その数は80万人を超えている。これにフリーター人口を加えると国内で約5百万人もの若者が定職に就かずに“自分に合った生き方”を模索している。今後の労働市場や人材ビジネスを考えていく上では、この状況を踏まえて、時代が求める求職・求人の案件を生み出していく必要がある。

そこでいま注目したいのが「職人の仕事」だ。日本人はもともと“物作り”に適した気質を持っているが、いつの間にか学校を卒業した後のレールは「サラリーマン」に絞られて、物作りに打ち込む職人になるための道が絶たれている。日本には、まだまだ腕の良い職人がたくさん存在しているが、熟練した技は高齢化して後継者難の悩みを抱えている。多くの優れた職人が自分の代で廃業を決意していることは、日本全体にとっての損失とも言えるが、これら新旧の世代の歯車がかみ合っていないのが、現代の状況である。

しかし消費者の立場では、近年になってまた「職人の仕事(製品)」が再評価されている。アジア諸国に生産拠点を移した製品の品質は“安かろう悪かろう”で、目の肥えた上級消費者に満足感を与えることはできない。たとえ価格が高くても、プロの職人が作った本当に良い製品を長く使いたいと考える消費者層は着実に増えている。
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この記事の核となる項目
 ●欧米における職人の地位と育成・認定制度
 ●ドイツ・マイスター制度による教育プログラムの仕組み
 ●消費者が蘇らせる職人ブランドへの着目
 ●職人ブランド立上げによる手工業会社の成長法則
 ●飲食店の店舗流通サービスに学ぶ事業継承の新形態
 ●高齢の事業主と若手開業希望者を結ぶ事業継承ビジネス
 ●職人技を商品とする「ワークショップ」の発想と収益モデル
 ●後継者不在で廃業する繁盛店の営業権を仲介するサービスの可能性
 ●寿司職人養成スクールにみる新しい独立開業支援サービスの形


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JNEWS LETTER 2005.6.6
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