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  商品の価値は需要と供給のバランスによって決まるため、供給が飽和状態になると価値は下落する。そこで売り手側としては買い手側に対して何らかの渇望感を与えることが重要な戦略になる。それを学べる業界としてはスポーツコレクターグッズ分野がわかりやすい。
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スポーツコレクターグッズ市場にみる
商品価値と渇望感の演出
written in 2005/1/7

 昨年末に配信した2005年展望記事の中で、今年のマーケティング戦略として「顧客に渇望感を与えること」が効果的であることを解説した。「いつでも、どこでも買える商品」に対して、物に満たされた現代の消費者の反応はかなり鈍くなっているが、「品薄でなかなか手に入らない」と噂の広がっている商品に対しては強い購入欲が駆り立てられる傾向が顕著にある。

その理由としては、多くの人が欲しがっている商品をいち早く自分が所有することによる満足感の他に、品薄の商品ならば購入後の価値が急落する可能性が低いことも意識している。場合によっては買値よりも高いプレミア価値が生まれることを期待して「購入しても損はない」というソロバンを無意識のうちに頭の中ではじくこともある。ネットオークションという二次流通市場が普及したことによって、消費者は購入後の商品価値(中古品としての売価)を具体的にイメージしやすくなっているのだ。

商品を供給するメーカーや小売業者にとっては、商品の中古相場がすぐに暴落してしまうような乱売をしていれば、消費者からの支持率も暴落してしまう懸念があることを意識しておくべきだろう。需要と供給のバランスでいえば、「欲しい」という需要量が供給量をやや上回っている状態を維持していることが望ましい。しかし消費者に「欲しいという気持ち(渇望感)」を常に抱かせておく販売テクニックを実践することはかなり難しい。

この渇望マーケティングを展開することで市場を形成している分野としては、コレクター向け商品の販売戦略がわかりやすい。性能的にはありふれた商品でも、そこに特別な付加価値やプレミアを付けることにより、コレクター達は類似の商品を広く収集するようになる。この販売テクニックは一部のマニア向け商品に限らず、中小の専門店が手掛ける各種の商品販売にも通用するものだ。
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この記事の核となる項目
 ●渇望させることで成り立つスポーツカード市場
 ●コレクターを飽きさせないスポーツカードの仕掛け
 ●小売業者が応用したい商品価値の把握と限定販売テクニック
 ●スポーツ関連メモラビリア商品販売の流れ
 ●日本人の購買心理を手玉にとるライセンスブランド商法のカラクリ
 ●二次流通市場(中古市場)の取引相場が商品価値を決める法則
 ●成長するキャラクター市場の構造(不況知らずの市場と仕掛け人達)
 ●プレミア相場の陰で損をする消費者と本物のコレクション投資


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