家庭教師業界の現状とネット化によるビジネスチャンス

　教育関連分野のビジネスとして伝統的なものに「家庭教師」がある。ワン・トゥ・ワンという言葉があまり定着していない時代から、１対１で教えるスタイルの家庭教師型指導は、教室の中で学ぶ形の集団教育の欠点を補う形で定着、安定した需要を維持している。

　家庭教師を依頼したい場合には大きく二つの方法がある。人づてに知り合いに頼んだり、大学生に直接頼んで家庭教師になってもらう方法。または、民間の家庭教師紹介業者からの派遣サービスを利用する方法である。

　金額的な負担が少ないのは前者（人づてに紹介または直接依頼）の方法だが、身近で依頼できる該当者（教師）を探すことはなかなか難しい。そこで多くの場合は、後者の家庭教師派遣サービスを利用することになる。

　ただし最近では個別授業料の高騰や強引な生徒勧誘などから家庭教師業界にまつわるトラブルが多発している。生徒や、その両親側では、優秀な家庭教師に指導してもらうことに対して、相応の授業料を支払うことに不満はないが、その間に介在する仲介業者が暴利な商売をすることに対しての反発が強い。

　この業界的背景には少子化の影響を受けた教育業者の厳しい姿がある。約10年ほど前から小中学生の数は減少傾向に向かい、それまでは一つの教室内に20〜40名の生徒を集めて集団教育をしてきた学習塾はいずれも売上低迷にあえいでいる。そこで次の策として、個別指導型の家庭教師に着目、参入することにより業界内の競争は激しさを増している。

●家庭教師派遣業界の現状と収益構造
　・仲介手数料率の高さ
　・教材の抱き合わせ販売
　・授業料の一括前払い方式
　・家庭教師派遣業界の採算性（月単位）

●家庭教師派遣業界のインターネット活用事例（米国サイト事例）
　・生徒側より紹介料を得る方式
　・オンライン指導機能提供により手数料を得る方式
　・家庭教師からデータベース登録料を取る

●価格以外で差別化する家庭教師マッチングサイトの具体例
●有望市場・オンライン・ラーニング分野の動向と傾向