士業のネットを活用した新規顧客獲得戦略と営業規制の問題点

　年功序列や終身雇用制度の崩壊が叫ばれてから久しいが、自己啓発の必要性や将来への不安を感じ、税理士、社会保険労務士（社労士）、司法書士といった国家資格を取得する人が増える傾向にある。これらの資格を有していれば、万が一、会社が無くなったとしても独立開業をして、うまくゆけばサラリーマン時代の何倍もの年収を稼ぐことも不可能ではないと考える人は多いようだ。

　ところが、いざ脱サラし税理士事務所などを個人開業するとなった場合に最も悩むのが「いかに顧客を獲得するのか」という問題。同じ土俵内にいる競合達はすべて有資格者であるために「国家試験合格」という実績は、事業成功のための切り札には全くならないのだ。逆に、実務経験の乏しい新規事務所が既存事務所の商圏にくい込んでいくには相当の苦労を要する。

　一般的に、税理士、社会保険労務士、司法書士といった、いわゆる“士”専門家達には営業をして顧客を獲得するという発想が乏しい。これは、各専門分野に関連した法規の中で広告活動による顧客獲得が大幅に規制されていることに起因している。

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