顧客ロイヤリティを高めるNFTメンバーシップの作り方
現代の消費者は、少しでも安く買い物をするためにネット検索を駆使する一方で、コレクターズアイテムになるような限定品や、自分だけが特別に利用できるサービスについては、高額でも購入したいという意欲が強い。そこに向けては、暗号テクノロジーのNFT(非代替性トークン)で顧客ロイヤリティの高いコミュニティを方法も考案されている。
具体的なイメージとして、高級ホテルやゴルフクラブなどが会員顧客に対してNFTを提供すれば、スマートフォンの電子ウォレットでNFTを所持しているだけで、会員限定エリアへの入場が可能になる。NFTは、会員権としての資産価値も備えているため、株式市場のようなマーケットプレイス上で「その権利が欲しい」という第三者が増えると、転売して譲渡益を稼ぐことも期待できる。
「LinksDAO」は、世界最高のゴルフコミュニティを構築しようとするWeb3型のプロジェクトで、リアルなゴルフ場を経営することを計画している。LinksDAOのメンバーシップ(会員権)には、6363口のレジャーメンバーシップと、2727口のグローバルメンバーシップがあり、それぞれ1口あたり0.18イーサ(または674ドル)と0.72イーサ(または2699ドル)で2022年1月にNFTとして発売され、48時間で完売した。LinksDAOは、NFTの販売で調達した資金を元手に、世界でトップクラスのゴルフ場を買収する計画だ。
従来のゴルフ会員権との違いは、ゴルフ場がメンバーを募集するのではなく、ゴルフ愛好者のコミュニティがNFTの形で小口出資を行い、自分達が理想とするゴルフ場を取得して、メンバー特典としての利用権を付与していくことである。
日本でも高級ホテルのNFTコミュニティが開発されるようになっている。アパレルECサイトをZOZOに売却した起業家が、次の事業として2020年に設立した NOT AHOTEL株式会社は、オーナーが別荘として使いながら、ホテルとしての収益化も可能な高級コンドミニアムの分譲販売を手掛けているが、年間に1日単位で利用できるメンバーシップをNFTで販売する方式を2022年6月から開始している。
NFTの価格は125万円~だが、権利の有効期限は建物の耐用年数と同じ47年間に設定されているのが特徴だ。NOT A HOTELの高級コンドミニアムは全国8ヶ所以上で開発が進められており、NFTメンバーは毎年異なる物件を利用することができる。宿泊の権利は自分で行使しても良いし、二次流通で売買したり、友人にプレゼントすることもできる。
125万円で年1回の宿泊が47年間できる権利は、1回あたりに換算すると約5万8千円となり、家族で高級ホテルに泊まるのと同等か安い設定といえる。メンバーシップの権利が不要になれば、NFTを二次売買することもできるため、レジャー+資産としての楽しみ方ができる。
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