投資家がメール領収書から企業の売上予測をする方法
投資家が各メーカーの新製品がどれだけ売れているのかを把握する方法としては、アマゾンなどのeコマースサイトが注文時にメール送信する領収書も活用されている。
ユーザーに無料サービスとして提供しているメールプロバイダーの中では、広告掲載に次ぐ収益源として、ユーザーが受信するメールの内容を匿名化して、投資家向けの代替データとして売却しているケースが多い。サービスの利用規約でも、メールの内容を分析することは明記されており、ユーザーは無意識のうちに許諾をしているのだ。
具体的な分析の方法は、メールプロバイダーのサーバーに届く膨大なメールの中から、eコマースサイトの領収書を抽出して、顧客の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスなどの個人情報を取り除き、購入された商品名、注文数、金額、注文時間、商品発送先の郵便番号などが記録されたデータセットとして、代替データ業者に提供されている。
メール領収書データの売買については、データ保護法のガイドラインに沿った個人情報の匿名化をしていることと、データの二次使用を望まないユーザー向けにオプトアウト(脱退)の選択肢を設けていれば、欧州や米国では合法と認められている。
《メール領収書データに含まれる項目例》
・注文ID
・商品名
・商品のサイズ、カラー
・商品価格
・商品説明文
・注文された時間
・商品の到着日
・配送先の郵便番号
・請求先の郵便番号
2011年に米サンフランシスコで創業した「Edison Software」は、メール領収書に基づいた投資家向けデータを作成している会社で、小売業の他にも、旅行予約、レストラン予約、食品デリバリー、サブスクリプションサービス、ゲームアプリなど、多様な業界の売上予測を得意としている。
Edison社では、一般ユーザー向けに独自の「Edison Mail」という無料メールサービスを提供しており、他の無料メールとは違ってメール上に広告を付けない代わりに、メールの分析データを企業に対してフィードバックする「リサーチバック」のビジネスモデルを採用することで、メール領収書の収集を行っている。
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・ヘッジファンドが代替データを求める理由
・変化するヘッジファンドの収益構造
・政府よりも早く感染拡大を察知するSNS分析
・Webサイトから金脈データを発掘する方法
・Webスクレイピングによる新車販売予測
・メール領収書からの売上予測方法
・領収書データを収集するビジネスモデル
・ローン業界が求める代替データの方向性
・格差社会で機能不全になるクレジットスコア
・高速売買が引き起こす株価暴落の特性
・コロナインフレで広がる貧富格差と富裕層の資産構成
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・JNEWS LETTER 2021.8.3
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