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急成長するスニーカー再販マーケットのビジネスモデル

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JNEWS会員配信日 2021/10/2

 世界の金融情報を配信するブルームバーグでは、ナイキ、アディダス、プーマなど、スニーカービジネスに関わる上場企業の時価総額から、スニーカー市場の成長率を示した「ブルームバーグ・オレゴン・スニーカー指数」を算定している。
それによると、2008年6月を基準点=100として、2021年9月時点の指数は681となっており、株式価値としては6倍以上に成長していることがわかる。

《スニーカー指数の成長推移》

ブルームバーグ・オレゴン・スニーカー指数

こうしたスニーカー市場の好調を裏側から牽引しているのが、転売マーケットの存在である。2015年の創業で、米国デトロイトを拠点に運営される「StockX」は、世界最大規模に成長しているスニーカーの再販マーケットプレイスで、現在は200ヵ国以上のスニーカー愛好者から利用されて、年間10億ドル超の売買を仲介している。サイト上では、ブランドバッグ、アパレル、高級時計なども扱っているが、取引される商材の75%はスニーカーである。

StockX

StockXがスニーカー売買を仲介する仕組みは、ebayやヤフオクのように、それぞれ品質が異なる中古品を扱うのではなく、箱付き新品の再販に限定した仲介をしているのが特徴である。そのため、出品者が商品の写真をアップロードしたり、説明文を掲載したりする必要がない。

出品者は、StockXのサイト上に登録されている約11万品目の商品データベースから、販売する商品のモデル名、カラー、サイズなどの項目を選択して「SELL(販売)」ボタンをクリックするだけで出品登録ができる。

販売の方法には、「Ask(希望額で売る)」と「SellNow(今すぐ売る)」の2種類があり、前者の場合には、現在の取引相場をみながら、自分が売却したい価格を入力する。サイト上では、同じモデルのスニーカーを出品する売り手が複数いるため、低い希望額を設定している商品ほど早く売れていくことになる。これは株式売買の「指し値」に近い。一方、「今すぐ売る」の場合には、現在の取引価格で迅速に売却することができ、株式の「成行売り」に近い売り方である。

売り手と買い手の取引が成立すると、売り手は商品を2日以内にStockXの認証センターに送付する。センターでは、商品が本物であること、サイズラベルが貼られた箱付き、靴紐などの備品も揃った新品であることの検品をした後、買い手に発送する仕組みになっている。StockXは、米国内の他に、カナダ、香港など世界に認証センターを作り、2000人以上のスタッフを採用することで、グローバルなスニーカーの転売ネットワークを築いている。

■StockX認証センターの紹介映像

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