若年層が利用するオンライン遺言の仕組みとビジネスモデル
米国で遺言や相続の準備をしているのは成人の約3割と言われている。残りの7割は、大した資産も無いなどの理由により、コロナ禍でも終活への意識は低い。
これからの終活市場を開拓するのであれば、50代以降の低所得者よりも、20~30代のエリート層を狙うのが有望というのが、米国業者の中で、共通した見解となっている。
米国には数十社のオンライン遺言サイトが存在している。これらのサイトを利用する利点は、自分の遺志を手軽に記録しておけることである。基本的な仕組みは、会員登録をした後、プラットフォーム上の項目に沿って遺言内容を入力していくと、電子版の遺言書が完成する。これを紙にプリントアウトして、被相続人以外の証人(2人以上)の前でサインをすると、自筆遺言書が完成する。
米国では、州によって法的に効力のある遺言書の形式が異なり、電子遺言を法的に認めている州はまだ少ないため、プリントアウトした遺言書に自筆サインをする方式が主流である。
ただし、身内同士の揉め事が起きない遺言書を作成するには、専門家のサポートが必要となるため、資産額が大きな相続人に対しては、オンライン遺言サイトが提携する弁護士事務所が紹介される仕組みになっている。つまり、オンライン遺言サイトには、初期の終活ユーザーを集客するツールとしての役割があり、利用体系は無料~月額数十ドルの安価なサブスクリプション型になっている。
無料サービスの場合には、電子版の遺言書を作成するところまでを無料として、紙にプリントアウトする段階で料金が発生するケースや、遺言書の改訂をする時に有料とするケース、複雑な遺言事項を追加する機能を有料オプションとしているケースなどがある。
いずれにしても、オンライン遺言サイトをセルフで使いこなすには、相応の法律知識が必要になり、各サービスに一長一短があるという印象だ。Caring.comでは米国の法律に準拠した、使い勝手の良いオンライン遺言作成サービスとして9つのサイトを紹介している。
■The 9 Best Online Will Services of 2021
オンライン遺言へのニーズが高まっている理由としては、自分に健康面の緊急事態が発生した時に、どんな医療行為を希望する・希望しないのかの意志表示を記録しておきたいこともある。重病時の医療計画を事前に考えて、文書として残しておくことは「アドバンス・ケアプラニング」と呼ばれ、本人と家族、そして緊急時には医療機関と共有できることが望ましい。
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