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自治体と連携したEV充電インフラ整備のビジネスモデル

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JNEWS会員配信日 2020/12/9

 米国や欧州でも、EVの普及と充電インフラ整備はセットで捉えられており、行政と民間が提携したビジネスモデルが構築されている。2013年にオランダで設立された「Allego」は、欧州全域でEV充電インフラの整備を進めている会社で、現在は18,000ヶ所以上の駐車場で充電スタンドの設置と管理を行っている。

Allego社では、自宅充電ができないEVユーザーから「自宅近隣で充電スタンドを設置して欲しい場所」のリクエストを受けると、自治体から公共のスペースや路肩などを使用できる許諾を受けた上で、「充電器付きパーキング」を設置する。
設置にかかる費用は、自治体の補助金を活用するため、EVユーザーの自己負担額はなく、充電量に応じた料金がスマホアプリで課金される仕組みになっている。

Allego

また、英国の「ubitricity」でも、地域の自治体に代わってEV充電スポットの整備と管理を行っている。同社が独自開発した充電ケーブル(スマートケーブル)には、電気の計測と管理サーバーとの通信ができるメーターが装着されており、駐車場や路肩にある街灯ポールと接続して充電スポットにすることができる。街灯ポールには、もともと照明用の電線が敷かれているため、充電スポットとして活用しやすいことに着目したビジネスモデルである。

自宅周辺に充電場所がないEVユーザー(住民)は、自治体に対して充電スポット設置のリクエストを送ると、要望が多い場所から、ubitricityが街灯ポールに充電ケーブル(スマートケーブル)を接続するためのコネクタを設置する工事を行っていく。

EVユーザーが、この充電スポットを利用するには、それぞれ自分専用のスマートケーブルを購入する必要があり、充電時には街灯ポールにマイケーブルを接続して使用する方式になる。スマートケーブルの価格は299ポンド(約4.2万円)だが、充電料金の標準プランとして、月額7.99ポンド(約1100円)+1kWhあたり0.16ポンド(約22円)の割安な電力契約が付属している。

ubitricity
■スマートケーブルの紹介映像

街灯ポールをEV充電スタンドにするアイデアは秀逸であり、自治体は限られた予算内で多くの充電拠点を作れる利点がある。ただし、街灯の電源は急速充電には対応しておらず、EV1台のバッテリーを満充電するには10時間近くかかる。そのため、夕方に充電を開始すると早朝まで充電スペースを占有することになり、路肩の街灯ポールを利用する場合には、路上駐車が長時間化する問題も考える必要がある。

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