コロナ禍で変革される銀行融資とクラウド会計の連携
銀行の融資窓口では、新型コロナの影響で直近の運転資金を確保したい事業者の融資申込が殺到している。しかし、混雑した店舗で長時間待つことは感染リスクに繋がるし、融資相談→必要書類の提出→審査→融資実行が完了するまでには短くても数週間かかってしまう。これでは、従業員の給与支払いが間に合わなという事業者も多いのが実情である。
そこで、融資審査のプロセスを、会計ソフトとの連携で短縮化させたオンライン融資が今後は伸びていく可能性がある。クラウド会計システムの業界は、金融機関との連携を進めており、中小の事業者がメインバンクとしている地方銀行や信用金庫の口座残高や入出金データをダイレクトに取り込めるようにしている。
クラウド会計で20万社以上のユーザー事業者を獲得しているfreee株式会社(4478)では、全国で1000件以上の金融機関(地銀、信金、農協、労金など)と連携して、預金口座の入出金データと、クラウド会計ソフトの同期を可能にしている。
さらに、ユーザー事業者がfreeeの設定画面から、銀行の融資担当者にメンバー権限を与えると、クラウドで管理している会計データを共有することができる。
融資担当者にとっては、取引先の財務状況をダイレクトにチェックすることで、融資の審査→実行にかかる時間を大幅に短縮することや、財務状況の良い事業者に対して、優遇金利の適用もしやすくなる。
そのため、今後は「どの会計ソフトを使うか」の決定権でも、銀行側が力を持つようになり、freeeやマネーフォワードのようなFintech企業から、クラウド会計システムのOEM供給を受けて、銀行ブランドの会計アプリとして販売する方式も増えていくことが予測される。
具体例として、西日本シティ銀行では freeeとの提携により、「freee for 西日本シティ銀行」として、同行取引先の法人企業と個人事業者に月額1,980円~で提供している。
銀行店舗では、ATMやオンラインバンキングの普及により、既に個人客が窓口を訪れる回数は激変しているが、コロナの感染拡大により、事業者向け融資の分野でも、オンライン融資の仕組みが普及していくことになるだろう。この動向については、事業者の財務サポートしている税理士や公認会計士も意識して、クラウド系の会計システムに強くなっておく必要がある。
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