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米証券業界を席巻するロビンフッドの顧客開拓と収益構造

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JNEWS会員配信日 2020/9/19

 米国の証券業界で、創業から数年のロビンフッドが飛躍的に口座数を伸ばしている。その理由には、ソーシャルメディアが得意とするような「友達の紹介プログラム」を充実させていることがある。同社では、新規の口座開設をしたユーザーに対して、時価で最大200ドルの価値がある上場企業の株式を無料でプレゼントする特典を考案している。さらにアプリ内にある「連絡先」のメニューから、自分の友達を招待した場合にも株式が紹介報酬として与えられる。

無償で貰える株式は、ロビンフッドが紹介プログラム用に複数社の米国上場株を取得しているもので、各ユーザーにどの銘柄が与えられるかはアルゴリズムがランダムに決めている。

銘柄の98%は時価が2.5~5ドルの株式だが、1%の割合で10~50ドルの株式、さらに1%は50ドル超~200ドルの株式も含まれているため、無料株式を受け取るだけでも、宝くじのような射幸心を煽るものなっている。ただし、年間で受け取れる株式は1世帯あたり500ドルまでに制限されて、合法的な特典プログラムとして運用されている。

無料の株式は、新規で口座を開設するだけでも貰えるため、投資未経験者でもリスクゼロで、マイクロソフト、フェイスブック、フォードなど有名企業の株式を持つことができる。

貰った株式は、2営業日以降に売却して現金化することも可能だが、アプリのポートフォリオ機能で管理して、株価の値動きによって自分の資産額が変動していくスリリングな体験をすることもできる。そこから株式投資に興味が湧けば、アプリと連動させた銀行口座から資金を入金して、本格的な投資活動をスタートさせていくことになる。

Invite Friends, Get Free Stock(Robinhood)

《無料株式による紹介報酬プログラム》

 新興の証券会社であるロビンフッドが、米国証券業界に与えている影響力としては、株式売買にかかる手数料を完全無料化していることもある。ロビンフッドは、米国株式、ETF(上場投資信託)、オプション取引、暗号通貨の売買仲介をしているが、暗号通貨を除いた取引では、ユーザー側から売買手数料を徴収していない。

通常、証券会社は株式売買を仲介する際に、売買金額に対して0.1~1%程度の委託手数料を徴収することを収益の柱としてきた。しかし、ロビンフッドが手数料無料化を実行したことで、米国では、Charles Schwab、TD Ameritrade、E-Tradeなど、他の大手証券会社も次々と手数料無料化に踏み切る動きが、2019年後半から加速している。

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