ECサイトの集客と売上向上策として、消費者からのレビュー投稿を集める レビューマーケティングが注目されている。レビューの内容はサイト側で管理され、商品の好感度を高めるテクニックが考案されている(JNEWSについてトップページ
ECサイトがユーザーレビューで売上を伸ばす手法

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JNEWS会員配信日 2020/1/17

 グーグル検索エンジンからの集客力を高めることを目的に、各種のサーチエンジン対策(SEO)ビジネスが登場してきたように、ユーザーレビューの分野でも投稿を効果的に活用して売上を伸ばすノウハウが、海外では研究されるようなっている。消費者の意思で書き込まれたレビューを、業者側が改ざんすることはNGだが、レビューの見せ方や集め方によって、商品の好感度を高めるテクニックは色々と考案されている。

《●ネガティブレビューへの対応》

 ユーザーレビューの中では、商品への不満やクレームも投稿されるが、それは優良コンテンツとしての潜在価値を持っている。

公平性の高いユーザーレビューの管理ツールを開発する「Reevoo」の調査によると、ポジティブとネガティブ両方のレビューが掲載されているサイトは、消費者の68%が信頼感を抱いてコンテンツを読んでいる。逆に、ポジティブな意見しか掲載されていないサイトに対しては、偽レビューの疑念を抱いている。また、ネガティブなレビューは消費者からの人気が高く、サイトの滞留時間が長くなる。

言い換えると、ネガティブレビューを探している消費者は、商品の購買意志が強く、慎重に類似商品との比較検討した上で、最終的に注文に至るコンバージョン率が67%高くなっている。そのためにも、ユーザーから投稿されたネガティブレビューを残しておくことは、優良顧客を集める上で重要だ。

それを踏まえた上で、ネガティブレビューへの有効な対策は、不満やクレームへの対応を明確に行うことである。たとえば、購入された商品に不備がある場合には、無償で返品交換に応じる旨をレビューに返信コメントすることで、信頼を取り戻すことができる。

《●優良レビューの集め方》

 ECサイトがレビューを増やすには、消費者からの投稿を「待つ」のが基本だが、それでは時間がかかるため、割引クーポンなどの特典を与えて、レビュー投稿を促す方法が取られている。そこで良質のレビューを集めるには、優良な固定客に限定してレビュー依頼のメールを出すことも、テクニックとして行われている。
一般的に、レビューボードが荒れるのは、顧客以外のネットユーザーによる書き込みが原因となるケースが多く、レビューの信頼性を高める上でも、投稿者を絞り込むことや、投稿のルール設定が必要になる。

アマゾンの資本傘下で、靴とアパレルの販売をするZappos.comでは、「ZapposVIP」という固定客向けの会員制度を設けており、同サイトで購入した商品のレビューを書くことで、1件あたり10 VIPポイント(0.1ドル相当)を獲得することができる。レビューは、他者を中傷、脅迫したり、詐欺的な内容でなければ、製品の不満を述べることも認められている。

さらに、Zappos VIPのレビュアーとして評価の高いユーザー向けには「プレミアレビュアープログラム」という制度が設けられている。プレミアレビュー会員に認定されると、Zapposから各種のサンプル商品が無料で提供されて、その使用感をレビューとして書き込んでいく。その場合にも、製品の長所と短所を自由に述べて構わない。

プレミアレビュー会員は、Zapposからの招待制となっており、明確な認定基準が開示されているわけではないが、レビューの投稿回数と、特定商品分野の専門知識、投稿内容の有益性(消費者に役立つ投稿であること)によって、該当ユーザーの選定が行われている。Zapposにとって、プレミアレビュー会員への商品提供は、今後の売れ筋にしたい商品のレビュー件数を増やして、人気商品へと育てていけるメリットがある。

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