使い捨てプラ容器の規制強化により、洗剤やシャンプーなどの日用消耗品の分野でも使い捨て容器使わずに、回収して何度も再利用する循環型のビジネスモデルが考案されるようにようになっている(JNEWSについてトップページ
使い捨て消費を変革する消耗品容器の循環ビジネス

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JNEWS会員配信日 2020/1/25

 使い捨てプラ容器の流通禁止は、製品メーカーにとっても商品流通の仕組みを変革していく必要性に迫られている。洗剤やシャンプーなどの日用消耗品も、次第にプラ容器ボトルの製品は、小売店の商品棚から撤去されることになり、消費者が何度でも詰め替えて再利用できる循環型の流通システムへと、時代は変化していくためだ。

その解決策として考案されているのが、米国リサイクル企業のTerraCycle社と日用消費財メーカーとの共同プロジェクトとして開発された「Loop」というリバース物流の仕組みである。

Loopの循環システムでは、洗剤、シャンプー、調味料、アイスクリームなどのメーカーが、二重構造のアルミニウムやステンレスなど耐久性の高い素材で、詰め替えを前提とした、デザイン性にも優れた容器で商品を販売する。その際には、容器代に相当するデポジット(保証金)を預かる。

消費者は、家庭で洗剤や調味料などを使い、空になった容器はLoop専用のコンテナボックスに収納しておき、無料回収の手配を専用サイトから出すことができる。
その際に「返品時の自動補充」のチェックをしておくと、Loopの工場で洗浄された容器に、同じ製品が充填されて宅配される仕組みになっている。

消費者にとっては、初回の利用時にデポジットを払う負担があるが、従来のようにプラ容器を自治体のルールに沿って廃棄する手間が無くなる。消耗品メーカーにとっても、自動補充のリピート注文が受けやすくなるため、使い捨て容器よりも固定客を定着させやすくなる。

この仕組みでは、製品容器の所有権を消耗品メーカーが持つが、TerraCycle社は各商材に適した容器の開発、容器回収用コンテナボックスの提供、容器の洗浄などを担当する。同事業を採算ベースに乗せるには、複数のメーカーとパートナーシップを組み、空き容器(1本あたり)の回収コストを下げていく必要があるが、現状ではP&G、ネスレ、ペプシコ、アイスクリームメーカーのハーゲンダッツなどが、Loopの容器回収システムを利用した新製品の開発に取り組み始めている。

Loop
■空きボトル回収の紹介映像

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