VRセールスにシフトする不動産業界の物件販売手法
その場所に行かずとも、遠隔から現地の様子を立体的に見学できるVR(仮想現実)のテクノロジーは、新型コロナで影響を受けているリアルビジネスを変革していく可能性がある。その典型的な業界といえるのが、不動産の賃貸と販売である。
360度VRコンテンツの制作を行う株式会社スペースリー(東京渋谷区)は、2016年から不動産賃貸会社やハウスメーカーを主なクライアントとして、不動産物件の内覧を遠隔から行える、クラウド型VRコンテンツ配信の管理と遠隔接客システムを提供している。
同社の報告によると、全国的に緊急事態宣言が出された2020年4月に、消費者がVR化された不動産物件を閲覧した件数は、前年同期比で3.3倍に増加。管理している物件をVR化したいという不動産業者からの問い合わせも、5.2倍に急上昇している。
スペースリー社のVRシステムは、住宅やアパートの各部屋を360度撮影したパノラマ写真をクラウドサーバー上に管理して、一般ユーザーがPCやスマホから閲覧できることに加えて、独自の特許技術によって、担当者と顧客が同じVRコンテンツを共有しながら、ビデオ会議でオンライン商談ができるようにしている。そのため、家探しをしている顧客と担当者の双方が、現地に行くことなく、物件の内覧から契約申込までの遠隔商談を進めることも可能だ。
■VRシステムと遠隔接客の紹介動画
VRによるオンライン内覧の成果は、コロナ前の段階でも出てきている。大阪を中心に賃貸仲介を行う宅都ホールディングスが、昨年1~3月にスペースリーのVRシステムを積極的に活用したところでは、内覧者の数が前年比で5割以上増加した。
さらに、国公立大学の受験日にあたる2月25日と26日に、大学近隣エリアで物件内覧会を行ったところ、33件の物件予約があったが、その中の7割は現地見学をせずに、VR内覧のみで申込の意志決定をしている。
スペースリー社VRシステムの利用体系は、クラウドサーバーに保管する写真の数によって3種類のプランが用意されており、写真400枚までのコースが月額4,900円、1500枚までのコースが月額12,980円、無制限のコースが月額58,000円の設定。
2016年11月のサービス開始から3年間で、不動産・ハウスメーカーなどを中心に3千社が利用している。
(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2020.5.27
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ
■この記事に関連したJNEWS会員向けバックナンバー
・IT重説と電子サインで変わる不動産賃貸の契約手続き
・物件の売買価値を高めるホームステージングの費用対効果
・賃貸物件の管理コストを軽減させるIoTシステムへの潜在需要
・パンデミックで潮目が変わる賃貸経営と投資の方向性
・感染対策で開発される非接触型サービスへの業態転換
※バックナンバー用ID、PASSWORDを入力してご覧ください。
(ビジネスモデル事例)/(トップページ)/(JNEWSについて)/(Facebookページ)
これは正式会員向けJNEWS LETTER(2020年5月)に掲載された記事の一部です。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料による情報提供をメインの活動としています。 JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。