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オンライン診療サービスのビジネスモデルと収益構造

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JNEWS会員配信日 2020/2/18

 米国では、オンラインで医療相談や診察をしてもらえるサービスが、企業の福利厚生としても人気で、オンライン診療を採用する企業の中では、20~30%の社員が実際に利用しているというデータもある。

Kaiser Health Foundationの調査によると、米国成人の26%、18~29歳の45%が、かかりつけ医を持っていないことから、手軽に受診できるオンライン診療への潜在需要が高いのだ。企業にとっても、病気の初期段階で処置できれば、社員の欠勤日数を減らして、トータルでみた会社負担の医療費を軽減できるメリットがある。

米国では、社員数200名以上の会社がオンライン医療サービスを導入する割合が2015年の27%から、2018年には74%にまで伸びていることから、この市場の主力ターゲットは、個人よりも法人契約と捉えられている。Doctor On Demandには、アメリカン航空、ウォルマートなどの大企業を中心に400社以上が法人契約をしており、医療サポートの対象となる従業員数は4500万人の規模にまで拡大している。

同社のビジネスモデルとして当初は、従業員1名につき1ドルの月額基本料金+1回15分のオンライン診療費40ドルを徴収する法人契約の体系を描いていた。たとえば、10万人の従業員がいる大企業では、毎月10万ドル(約1100万円)の基本料金が発生するサブスクリプション型のビジネスだ。

しかし、この方式では獲得できる法人契約数に限界があることから、従業員あたりの基本料金はゼロとして、実際にオンライン診療を受けた件数に応じた料金のみを請求する、完全従量課金型のビジネスモデルへと軌道修正している。それでも勝算が見込めるのは、当初想定していたよりも、オンライン診療の利用率が高いためである。

《Doctor On Demandのビジネスモデル》

【多角化するオンライン診療の収益構造】

 オンライン医療サービスは、受診者数が増えることで様々な付加サービスを提供していくことも可能になる。中国で1日に73万人が利用する医療相談サービス「平安医好生(Ping An Good Doctor)」の収益構造をみると、急病時のオンライン診療に加えて、中国内の医療機関と提携した各種の健康診断や遺伝子検査サービス、市販薬(OTC薬)や栄養サプリメントなどの通販を行う、ヘルスモール(eコマース)事業が3本柱になっている。

《Ping An Good Doctorの収益構造(2019年)》

米国Doctor On Demand社でも、オンライン診療に派生するサービスとして、医療検査会社との提携を行っている。オンライン診察の中で検査の必要があると判断した場合には、医師が症状に該当する検査キットの発注をする。患者は検査キット会社が運営する各地の施設に出向いて検査を受けることにより、詳しい診断を受けられるようになっている。

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