動的価格はJリーグのチケット販売にも一部導入されはじめている。リーグの優勝争いや順位によってチケット価格は変動するため、ファンはどのタイミングでチケットを購入するのかも、新たなスポーツの楽しみ方になっている(JNEWSについてトップページ
Jリーグに導入されるチケット価格最適化ソリューション

JNEWS
JNEWS会員配信日 2019/6/5

 近い将来の予測として、モノやサービスの価格は、ほとんどがAIによって決められるようになる。AIは需要と供給のバランスと、様々な外部要因を組み合わせたデータ分析により、リアルタイムで最適価格を設定することに長けているためだ。統計的には、人間が決めていた価格設定と比べて、AIによる動的価格は、販売者の収益率を5~20%伸ばせることが実証されるようになってきている。

ただし、販売者が動的価格の仕組みをゼロから構築することは難しいため、価格の分析~最適化を専門に行うシステム会社が、業界毎に登場してきている。日本でも、2018年後半からJリーグやプロ野球の一部チケットで動的価格が導入されはじめているが、これは、三井物産(62.6%)、ヤフー(34.0%)、ぴあ(3.4%)による共同出資で設立された、ダイナミックプラス株式会社が変動価格のシステムを提供している。

技術の供給元となっているのは、米国の通信会社、NeuStar社(ニュースター)の子会社となっている「MarketShare Partners」という価格分析会社のアルゴリズムで、同じ動的価格システムは、世界最大のチケット販売会社「Ticketmaster(チケットマスター)」にも導入されている。

同システムでは、リーグの順位争いによって注目度の高いゲームは(需要>供給)と判断してチケット価格を高く(例:7,500円)する一方で、優勝争いからは外れていたり、曜日は天気の条件が悪いゲーム(需要<供給)は定価よりも安く(例:4,000円)設定することで、「チケットが安いならば観戦に行ってみようか」という、新たなファン層を獲得することに繋げている。

ダイナミックプラス社のビジネスモデルは、興行主に対して各ゲームの最適価格を算定できるシステムを提供して、実際にチケットが売れた枚数により、チケット売上総額の一部を手数料として徴収する仕組みになっている。

MarketShare Partners
ダイナミックプラス株式会社

《ダイナミックプラス社のビジネスモデル》

米国のスポーツ業界では、各チームが価格分析会社との提携により、試合毎に異なるチケットの販売価格を設定している。試合直前までの変動要因(天候、先発選手の発表、チームの順位変動など)によっても、チケットの価格(=試合の価値)は変動するため、ファンはどのタイミングで購入するのがベストなのかを判断することも、新たなスポーツの楽しみ方になっている。

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・フリーランス就労者の需給をコントロールする変動報酬
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