給料前借りサービスは、モバイルアプリから必要な金額を申請すると、勤めている会社の給料から前借り金が承認されて、最寄りのコンビニATMから現金を引き出すことができる(JNEWSについて
給料前借りアプリの仕組みとビジネスモデル

JNEWS
JNEWS会員配信日 2019/3/22

 銀行カードローン、消費者金融、クレジットカードのキャッシングでは、利用者層が重複している。全国銀行協会が8万人の消費者を対象に行った調査によると、銀行カードローン利用者の41.7%が、消費者金融での借入経験がある。また、銀行カードローン利用者の61.5%が、クレジットカードによる借入経験もある。

これら3ルートからの合計借入額は、50万円以内が5割を占めており、生活費の不足分を補ったり、週末のレジャー目的で使ったりするのが、借り入れの主な理由だ。さらに今後は、買い物のキャッシュレス化が進む中で、クレジットカードの引き落とし残高が足りない分を、借り入れで一時的に賄う利用者層の増加が見込まれている。そして、カードローンは一度利用しはじめると、常態化していくことがデータからも裏付けられている。

《銀行カードローン利用者の属性》


こうしたカードローンの利用層に向けて、日本では給料前借りサービスが登場してきている。これは、Fintech業者が、福利厚生を充実させたい企業と提携する形で行うもので、従業員はモバイルアプリから、必要な前借り金額の申請をして承認されると、当日のうちに、最寄りの銀行やコンビニATMから現金を出金できる仕組みになっている。

前借りした分は、月末の給料から差し引かれるが、カードローンの契約をするよりも手軽に利用できるため、10~20代のアルバイトや契約社員などを中心に普及しはじめている。企業にとっても、前借り制度を導入することにより、新規の求職応募数が増える効果があるという。

一方、給料前借りサービスの運用会社は、契約企業の給料前払い業務を代行する、という立ち位置で、前借り利用額に対して3~6%の手数料を差し引くビジネスモデルになっている。自社で融資をするわけではないため、貸金業者としての登録は必要無いという解釈がされて、貸し倒れのリスクも無いため、この1、2年で国内の業者数は増加している。

《給料前借りサービスの業者例(国内)》

enigma pay(エニグマペイ)
Payme(ペイミー)
CYURICA(キュリカ)

《給料前借りサービスのビジネスモデル》

この仕組みには法的な議論もされている。フィンテック業者が従業員に対して、前借り資金の立て替え入金を行うことは、実質的な貸金業とみなされる恐れがあること。貸金業としてみると、前払い(1ヶ月間)の手数料を3~6%の歩合率で徴収すれば、年率に換算した利息が36~76%ということになり、法律で定められた上限金利を超してしまうことになる。今のところ、金融庁の見解では「貸金業にはあたらない」という回答がされているが、サービスの仕組みによっては、判断が変わる可能性も示唆されている。

給料前借りサービスの利用は、1回につき1万円以内の少額借入が多いため、手数料を払うことへの抵抗感は少ないが、カードローンと同様に、使い方に慣れると、繰り返し利用する常習性があるため、トータルでは高い手数料を払うことになってしまう。

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