ドローンビジネスの業界構造と正規代理店の収益源
これまでのドローン販売市場は、個人用途での購入割合が9割以上を占めていたが、今後は安全規制の強化によって、個人はドローンを飛ばしにくくなる一方、産業用途でのドローン購入が増えていくことが予測されている。それに伴い、法人顧客を対象としたドローン販売の業界構造が形成されていくことになる。
ドローンのコンサルティング業を行う、株式会社スカイウィングスが公表しているドローン世界市場の推移によれば、2025年には1,200万台の販売台数が予測される中で、産業用途による法人購入の割合は6割にまで伸びると見込んでいる。ドローンの購入先は、まずメーカーの正規販売ルートと並行輸入ルートの2種類に大別できる。ドローンの実売相場は、同じ機種でも国によって価格差があるため、安い国で購入したドローンを日本へ並行輸入すれば、価格面では優位になる。
しかし、ドローンは電波法による各国の規制を受けているため、日本では、総務省の「無線設備に対する技術基準適合証明(技適マーク)」を取得していない、並行輸入品は電波法違反になる恐れがある。そのため、法人企業としてのドローン購入先は、正規販売ルートを選ぶケースが大半である。
世界のドローン市場で7割以上のシェアを獲得しているメーカー、DJI(中国)では、製品の販路として、公式サイトからのネット直販と、代理店契約を交わしている正規代理店(2018年11月時点で47社)、その下に二次代理店として特約販売店のネットワークを築いている。DJIの正式な保証対応が受けられるのは、この正規ルートから購入された製品のみとなっている。
ドローン正規代理店の役割は、自らが製品を販売することに加えて、特約店を増やして在庫を供給する、卸販売業者の役割も兼ねている。
ドローンの販売業者は、DJI以外のメーカーからも正規代理店の資格を取得して、取り扱える製品の幅を充実させていく。ドローンの販売粗利益は、製品モデルや販売実績で変動する仕入単価によっても異なるが、概ね10~20%程度で、他の電子機器と比べても利益率は低い。ただし、ドローンの本体以外でも、オプション部品の販売や、事故に備えた損害保険の販売、ドローン操縦者の講習会などを開催することで、隣接した収益源を増やしていくことができる。
ドローンの販売店を本業とするのではなく、機体の改造やオプションパーツの開発、コンサルティング業を主力としたい事業者にとっても、正規ルートの一員になっておくことは、メーカーからの技術サポートや、部品供給を受ける上でもメリットがあり、正規代理店傘下の特約店となるケースが増えている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
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・JNEWS LETTER 2018.11.17
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