新車販売の終焉と交通サブスクリプションビジネス
JNEWS会員配信日 2018/2/13
マイカー所有率が下がることを受けて、各自動車メーカーでは、これまでのように「新車を販売する」ことから、新たなビジネスモデルへの転換を迫られている。具体策として考えられるのは、自動運転のシステムを各車両に対して提供するプラットフォーマーの立場になることだ。
トヨタが新モビリティサービスの構想として発表した「e-パレットコンセプト」の中では、トヨタは自動運転される車両の運行状況をクラウドで管理できるモビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)を構築して、そこで蓄積・分析された情報から、業態別(ライドシェア、レンタカー、タクシー、移動販売、運送業など)の自動運転キットを開発する。キットの開発には、サードパーティ業者が参入できるようにすることで、サービス業者のニーズに合った多様な自動運転プログラムを揃えていく計画だ。
■e-パレットコンセプトのイメージ映像
しかし、モビリティ業者向けのプラットフォームだけでは、新車販売台数の減収を補うことはできないため、一般ユーザー向けにも新たな収益の柱を作る必要がある。
そこで、自動車メーカーはユーザーに対して、サブスクリプション型のビジネスモデルを展開していく道を模索している。
Uberは2016年から、固定の月額料金を払うと乗り放題となるサブスクリプションサービスを、複数のプランで検証している。決められた月額料金を前払いすると、指定された地域と時間帯で無制限に乗り放題となるプラン。また、月間で20回までの乗車は固定料金の範囲だが、その回数を超した場合には、通常より割引料金が適用されるコースなど、いくつかのプランを試している。
ユーザー側とって、乗り放題となるサブスクリプション型の運賃は、地下鉄やバスの定期券との比較でも損得を判断するようになるため、サービスを実施する地域によっても、定額料金の算定方法が難しい。また、目的地(A-C地点)まで向かうのに、A地点からB地点まではバスを使い、B地点からC地点まではライドシェアを使うのが得、という選択肢もある。
そのため、これからの配車アプリは、モビリティ業者が単独で提供するものよりも、複数の交通サービスを組み合わせて、目的地までの最適なルートと料金プランの検索をして、乗車の予約から決済まで完結できるものが便利だ。このような機能を持つ配車アプリは「MaaS(Mobility-as-a-Service)」と呼ばれて、ライドシェアリングの業態を上回る新興勢力になる可能性がある。
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