超短期賃貸を実現させる不動産市場の変革
JNEWS会員配信日 2017/6/22
これからの小売業は、ネットとリアルの垣根が低くなり、オンラインから注文される割合が高くなっていくが、その時には、狭い地域に限定された商圏は消滅して、立地が固定した店舗では、すべての顧客に対応できなくなる。そのため、eコマース主体の小売業者が実店舗を展開していく上では、短期のサイクルで各都市を巡回するポップアップ店舗のほうが使い勝手が良い。
ポップアップ店舗の市場規模は、米国や欧州でも、今のところ小売業全体の1%程度に過ぎないが、店舗物件の空室率が上昇している中で、ポップアップの新業態が、これからの商業不動産市場における成長産業として伸びていく可能性が高い。
ポップアップの出店場所は、ショッピングセンターや商業ビルに限らず、人通りが多い場所であれば、屋内・屋外を問わず使えるため、不動産ビジネスの新領域として開拓できる余地が大きい。既に、欧米では短期賃貸専用の店舗スペースを斡旋するポップアップ・プラットフォームを構築するスタートアップ企業が多数登場している。彼らは、スペースの貸し手と借り手を単純に仲介するだけではなく、賃貸契約の仕組みを変革することを使命としている。
2012年にサンフランシスコで創業した「Storefront」は、サンフランシスコとニューヨークを対象に、遊休スペースの短期賃貸契約を仲介することからスタートした。2016年には、競合相手であるフランスのPopUp Immo社と合併する形で商圏を拡大して、現在はパリ、ロンドン、アムステルダム、ミラン、香港なども加えた、世界8都市で1万件以上の物件を扱っている。
ポップアップ店舗に適したスペースを持つ物件オーナーは、サイトにアクセスして物件情報を無料で登録でき、1日~1年の賃貸期間で借り手を募集することができる。借り手には、個人の起業者から、グーグルやナイキのような大手企業も含まれている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
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