JNEWS会員配信日 2016/2/24
これからの教育現場では、教員と生徒がそれぞれ情報端末を持ち、電子教材を共有しながら学習を進めていくスタイルが主流になる。そこでシェア獲得の鍵を握るのは、情報端末の機種選定だが、米国の教育市場では、2014年頃まではアップルの「iPad」がトップのシェアを獲得していたが、2015年以降は、グーグルのChromebookが急速にシェアを奪っている。
日本で Chromebookの知名度と普及率は低いが、米国では教育用デバイスとしてのポジションを固めてきている。Chromebookには、グーグルが開発して無料配布するChrome OSが搭載され、DELL、ACER、サムスンなどの PCメーカーが各機種を製造している。ビジネスやパーソナル用としても使えるが、最も需要が高いのは教育用途である。
■Chromebookの製造メーカー一覧(日本語) http://chromebooker.net/aboutchromebook/manufacturer
《Chromebookの出荷台数(2015年5月時点の予測)》
Chromebookの特徴は、まず物理的なキーボードがあるノートPCであること。これが、iPadのようなタブレット端末とは決定的に異なっており、教育現場では、生徒の学年が高くなるほど、キーボードで長文を入力したいというニーズが増えてくることが確認されている。
ノートPCの中では、Windowsとの比較になるが、Chromebook のほうが価格は圧倒的に安く、一般向けの端末が 200〜300ドルで売られているが、小中高校が団体購入する際の卸価格は 150ドル未満にまで下がってきている。
ただし、Chromebookにはメインメモリやディスクが最低限の容量しか搭載されておらず、アプリの利用やデータの保存は、すべてクラウドサーバー上で行うことを前提に設計されている。そのため、インターネットが繋がっていない環境ではほとんど使えない。
これを“不便”と思う人がいるかもしれないが、教育の現場ではむしろ“好都合”と捉えられている。OSの更新は自動的に行われ、アプリのライセンス管理などもすべてオンラインでできるため、教員が、教室すべての端末を個別にメンテナンスする必要がない。また、生徒が端末を家に持ち帰る場合にも、データの紛失や個人情報が流出するリスクが少ないためだ。
さらに、Chromebookを導入する学校が増えているもう一つの要因は、グーグルが無料で提供している GmailやGoogleドキュメントなどのアプリをクラス単位で導入しながら、グループ学習を進めやすいことがある。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です→記事一覧)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●iPadからChromebookに乗り換える米国の教育現場
●グーグルが描く教育プラットフォームの輪郭
●統計からみた教育アプリへの需要と購買特性
●教育アプリ販売のライセンス体系と収益モデル
●アプリと連動したスマート玩具の新市場
●学習の習慣を身に付けさせるスマート玩具
●ネットと玩具を繋ぐIoToysプラットフォーム
●50年サイクルの変革期が訪れる教育ビジネス
●世界に広がるSTEM教育による理系人材育成とスクール事業
●多分野に広がるIoTデバイス開発の発想アイデアと潜在市場
●キッザニアの成功戦略にみるエデュテイメント事業の仕掛け方
●個性と才能を伸ばす教育分野の新職種と新たなスクール形態
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2016.2.24
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