JNEWS会員配信日 2014/5/23
地域の中小店舗が、大手のチェーン店よりも弱いのは、自店の魅力や個性、購入特典などを、消費者に対して伝えるための情報発信や、広告宣伝に投じられる資金やマーケティングのノウハウが劣っている点であり、バイローカル団体では各種の斬新な共同キャンペーンを打つことにより、会員店舗への送客を支援している。
バイローカル団体には「地域経済を守る」という大前提があるため、地元の自治体やメディア機関(新聞、テレビ、ラジオ等)への協力要請もしやすく、キャンペーンの広告は、一般の企業よりも低予算、または無料で行えることが強みとなっている。
各媒体を通して、キャンペーンへの参加(会員店舗への来店)を呼び掛けるのは、地域経済を良くしようとする考えに理解のある消費者層で、彼らのことは「ローカリスト(Localist)」と呼ばれている。
「Local First Arizona(LFA)」の会員体系では、中小店舗が加入するビジネス会員の他に、消費者向けの「ローカリスト会員」が用意されており、年間20ドルの会費を払うことで、各地で開催されているキャンペーンへの招待や、特別な割引条件の提示などを受けることができる。
キャンペーンのイベント以外でも、ビジネス会員はローカリストに対して独自の特典を提示して、その内容を、LFAのサイト上に掲載することができる。ビジネス会員として参加している中小店舗の業種は、小売店、レストラン、薬局、フィットネスジム、ペットショップ、自動車修理業、など広範囲にわたるため、ローカリスト会員となっている消費者は、LFAのビジネスディレクトリから、有意義な特典を提供している業者を見つけ出して、お得な買い物やサービスの提供を受けることができる。
こうした仕組みにより、各家庭が毎月の消費支出に対して10%を、ローカル店舗での買い物にシフトすることで、地域の雇用や経済を引き上げることができると試算されている。
バイローカル団体は、米国各地で多数設立されてきているが、運営母体は非営利団体(NPO)としながらも、地域の自治体、メディア機関、地元企業とも協力しながら、中小店舗支援のキャンペーンを展開しているのが特徴。こうしたビジネスモデルは、「第4セクター方式」としても注目されている。
●米国で結成されるバイローカル団体とは
●地域経済を支えるローカリスト消費者
●バイローカル団体による集客支援の流れ
●シフト・ユア・ショッピングの経済効果について
●第4セクター型ローカルビジネスの特徴
●スモールビジネス・サタデーの仕掛け人
●ローカル店舗が考案する集客アイデア
●アマゾンに負けないローカル書店の生き残り策
●フリーマーケットを起点とした小売ビジネスの新形態
●通販客を呼び戻すリアル店舗向け買い物代行サービスの台頭
JNEWS LETTER 2014.5.23
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