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生鮮品宅配で優良客を取り込む
アマゾンのサブスクリプション戦略
JNEWS会員配信日 2013/8/30

 マーケティング費用を投じて獲得した新規の顧客も、たった1回の利用(注文)で終わってしまえば、ショップとしては赤字になってしまう。積極的な宣伝を続けているにも関わらず、収益率が低いショップの大半は、リピート注文の取り込みに失敗している。

しかし、日常の買い物では、定期的な購入を繰り返している商材が少なくない。米、調味料、ビールなど酒類、ペットフード、子どものおむつ、化粧品、スキンケア用品などは、気に入った商品を一度見つけてしまえば、それが継続的に購入される。ただし、「どの店で買うのか」までは決めていないため、その都度、消費者は条件の良いショップへと乗り換えている。商圏の制限がないeコマースでは、リアルな小売店よりも、その傾向が強い。

そこで、アマゾンでは、リピート購入が多い商材に対して「定期お得便」というサービスを用意している。継続的に利用される食品、調味料、日用品などを対象に、一度の購入手続きをすれば、1〜6ヶ月の希望する頻度で定期的に配送される仕組みだ。

もともとアマゾンの価格設定は、他のショップよりも安く提示されている商材が多いが、定期お得便の設定をすれば、それよりも更に5〜10%の割引価格になる。

さらに、米アマゾンでは、シアトルとロサンゼルスで、新鮮な野菜や食材を宅配するオンラインスーパーとして「Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)」を立ち上げている。翌日に必要な食材などを、PCやスマートフォンから午前10時までに注文すれば、当日の午後6時までに配達。午後10時までの注文は、翌日の早朝に温度管理された専用トラックで玄関先まで配達される。1回につき35ドル以上の注文があれば送料は無料だ。

宅配される生鮮品やパンなどは、地域で評判の高いの生産者や商店から仕入れられるため、利用者は、自らが買い物に出かけなくても、地元の食品を調達することができる。

このサービスを利用できるのは、年会費75ドルの「Amazonプライム会員」であることが最低条件で、さらに「プライム・フレッシュ会員(年会費299ドル)」へとグレードアップする必要がある。

年会費299ドルのハードルは高いが、それを乗り越えて登録する顧客のリピート注文率は高いのが特徴。アマゾンにとって、当日配送の生鮮品販売は利益率の高いサービスではないが、それと同時に、日用品、雑貨、書籍、CDやDVDなど、他の商品も同時に注文してもらえるため、生活に必要な物資の大半をアマゾンが提供することになり、顧客生涯価値を高めることができる。


《アマゾンのサブスクリプション体系》

 



この記事の核となる項目
 ●優良客を取り込むアマゾンのサブスクリプション戦略
 ●出版社に向けた電子書籍のサブスクリプション機能
 ●印刷版と電子版をセットにした雑誌の定期購読モデル
 ●使い捨てカミソリのサブスクリプション販売
 ●多様なコーヒーやお茶を試飲できる定期購買モデル
 ●試供品配布を応用したサブスクリプションコマース
 ●定期購買ネットワークを活用したテストマーケティング
 ●定期購買によるメーカー直販型eコマースの仕組み
 ●eコマース市場の新勢力・ソーシャルコマースの主役と取引形態
 ●電子出版で変わる消費者の購買スタイルと広告マーケティング
 ●福袋が進化したラッキーバックによるソーシャルショッピング
 ●先用後利の置き薬商法が進化した在庫補充サービスの商機


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JNEWS LETTER 2013.8.30
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■この記事に関連したバックナンバー
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 ●身の回りの買い物をアシストするパーソナルアシスタントの役割
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