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  電子書籍の定期購読をすると、「電子書籍リーダーが無料で貰える」というキャンペーンが登場してきている。定期購読者を増やしたい出版社と、リーダーの普及率を高めたいメーカーとの提携により、キャンペーンが実現している。
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電子出版で変わる消費者の購買スタイルと
広告マーケティング
JNEWS会員配信日 2013/3/21

 電子雑誌でも、読者を獲得する販促活動は重要だが、定期購読者への特典として、「電子リーダーの割引販売や無料プレセント」が積極的に行われるようになっている。

たとえば、ニューヨークタイムズが発行する「ピープル」という雑誌を年間購読(9.99ドル×12ヶ月)をすると、「Nook Tablet(ヌーク・タブレット)」という端末(定価249ドル)が、199ドルで購入できる。さらに、ニューヨークタイムズの新聞(電子版)を年間購読(19.99ドル×12ヶ月)すると、白黒画面の「NOOKSimple Touch」(79ドル相当)が無料でプレゼントされるキャンペーンが昨年実施された。

Nook(ヌーク)は、キンドルに次いで、米国でシェア第2位の電子リーダーだが、発売元のバーンズ&ノーブルでは、端末を普及させることで、他の電子コンテンツも売ることができる、ニューヨークタイムズ紙は定期購読者を増やせる、という双方にとってのメリットがある。



アマゾンがキンドルを無料で配布するキャンペーンは、今のところ実施されていないが、フォーブス紙によると、他の端末とのシェア争いになった場合は、アマゾン・プライム会員(まとめ購入などに有利な)に対して、会費に端末のコストを含めて、無料配布するかもしれないとの予想がある。

現時点でも、キンドルの価格はかなり安く設定されており、端末の販売からは収益を上げていないことは、アマゾンも認めている。電子リーダーのシェア争いで勝つことができれば、その後はコンテンツ(電子化された本、雑誌、新聞など)からの安定した収益を得られるためである。

 将来的には「新聞」も、紙版から電子版への移行が進むとみられている。採算面でみれば、宅配コストがかかる紙よりも、電子化された新聞をオンラインで有料購読してもらうほうが、新聞社にとっては望ましい。しかし、紙新聞の宅配制度はすぐには無くなりそうにない。

電子新聞に完全移行せず、いまでも週末に紙新聞を宅配しているのは、広告のシガラミがあるためだ。米国のスーパーや商店では、紙新聞の中に割引クーポンを折り込んでもらうことで集客をしているが、新聞業界にとっても、それが貴重な収入源になっているため、紙新聞の宅配をすべて止めてしまうわけにはいかないのだ。これは日本も同じで、新聞の宅配制度を廃止することは、広告収入の面で難しい。

そこで、折込広告の代わりとなる、電子クーポンの発行サービスは、電子新聞の普及とセットで成長していく可能性がある。

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この記事の核となる項目
 ●電子版へシフトする米国出版ビジネスの動向
 ●電子リーダーを無料配布する電子雑誌の販促活動
 ●電子版と紙版を共存させる新聞社の事情とは
 ●ローカル電子広告の新たなビジネスモデル
 ●電子書籍をレンタルできる図書館の貸出システム
 ●個人出版によるインディーズ作家の台頭
 ●電子出版における配本取次業者の役割とは
 ●電子書籍で生計を立てていくための視点と注意点
 ●iPadユーザーに向けた電子書籍の出版方法と取次ビジネス
 ●電子書籍で儲けるのは誰なのか?メジャー契約から個人出版へ
 ●無料新聞の登場に揺れ動く新聞社のビジネスモデルと収益構造


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JNEWS LETTER 2013.3.21
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