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虚勢を張り続けるヘッジファンドの
投資成果とビジネスモデル
written in 2013/4/13

ヘッジファンドを運営する投資会社は、スタッフが数名〜数十名程度のスモールビジネスであることが多く、ファンド1本あたり1億ドル〜50億ドル超の資金を運用している。最低10万ドル(約1億円)以上で、数十人の投資家から資金を預かって運用するようなスタイルだ。世界には1万本以上のヘッジファンドがある。

ファンドマネージャーの中には、大儲けをする凄腕が毎年登場して、ニュースでも話題になることから、どこのヘッジファンドでも高収益を稼いでいると思いがちだが、トータルでみた投資成果は、想像するほど高くないのが実態である。

世界のヘッジファンドがどの程度の利回りなのかは、ヘッジファンド専門の調査会社が集計をした「ヘッジファンド指数」が何種類かあり、証券会社や機関投資家などに有料で提供している。それらを見ると、現在の相場でヘッジファンドがどの程度のリターン率なのかを把握できる。

《ヘッジファンド指数の一例》

■HFRX指数
  https://www.hedgefundresearch.com/hfrx_reg/index.php?fuse=login_bd
■トレモントヘッジファンド指数
  http://www.hedgeindex.com/hedgeindex/ja/default.aspx?cy=USD
■バークレーヘッジファンド指数
  http://www.barclayhedge.com/research/indices/ghs/Hedge_Fund_Index.html

ただし、これらの指数は、各ファンドが自己申告した成績を集計したもので、客観的な裏付けは無く、実際よりも好成績にみられるようにバイアスがかかっていると言われている。

それを踏まえた上で、指数をみると、2011年には欧州危機の影響を受けて、どのヘッジファンドも資産を減らしているが、2012年には6〜8%のリターンを上げている。しかし昨年は、米国株式の平均上昇率が13%だったため、ヘッジファンドとしては、それ以上の成績を出す必要があった。2009年、2010年についても、リーマンショック(2008年)からのリバウンドが数値に反映されているだけだ。

《ヘッファンドの平均リターン率(バークレーヘッジファンド指数)》

・2009年………+23.74%
・2010年………+10.88%
・2011年………▲ 5.48%
・2012年………+ 8.25%

さらに、ヘッジファンドの成績は、月次や年次の短期ではなく、もっと長期でみる必要がある。それは、出資者との契約が長期的なものであり、大きな損失を出した時にも、すぐに契約が解除できるものではなく、資産を売却して返金するまでに半年程度はかかるためだ。そこで、10年間のスパンで運用成果をみると、じつは2〜3%程度の平均リターン率に留まっている。ヘッジファンドが存続していくための条件は、常に「5%以上」の利回りを出すことだが、それには根拠がある。

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この記事の核となる項目
 ●ヘッジファンドの意外な投資実績
 ●ヘッジファンドの収益構造と運用利回りの関係
 ●ファンドマネージャーの虚像と実像
 ●ホームトレード専業の生活は成り立つか?
 ●熱狂するデイトレード業界の裏側
 ●金融ビジネスの表舞台に踊り出るクラウドファンディング業界
 ●一夜にして「お金の価値」が崩落する通貨の特性と金融政策
 ●格差社会が誘発するデモ活動の背後にある富の独占システム
 ●ゲーム理論で動く才能集団の利害関係に基づく協業ビジネス
 ●資産運用の指南で年収2千万円の花形職業が生まれる背景
 ●希薄化する通貨マネーからゴールドへ回帰する資産の潮流


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JNEWS LETTER 2013.4.13
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