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  スポーツクラブに入会たものの、三日坊主で通わなくなり、退会してしまう会員はとても多いことから、退会率を減らすため方法を各クラブは考えている。そこで米国の起業家チームが考案したのが、トレーニングをサボった会員から罰金を徴収するプログラム。
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サボると損をするスポーツクラブの
罰金制度と顧客の行動心理
written in 2012/6/5

 米国でも、健康のためにスポーツクラブに入会する人達は多いが、「今日は雨が降っているから」「仕事が忙しい」「友達との約束が入った」などの理由で、クラブ通いをサボってしまうケースが少なくない。やがては、クラブにまったく通わなくなり、退会する人の割合は高い。

これは、スポーツクラブ業界にとって深刻な問題であり、なんとか退会者を減らしたいと考えている。

そこに着目して、ハーバード大学を2010年に卒業したグループが開発したのが、トレーニングをサボると罰金が徴収される「GymPact(ジムパクト)」という iPhone用のアプリである。これは、スポーツジムに通う世界中の人達を対象に、ジムに通ったか、サボったかを正しく把握することにより、報酬と罰金を分配するコミュニティを目指している。



このネットワークに参加したいユーザーは、まず GymPactのiPhoneアプリを無料でダウンロードした後、自分が通っているスポーツクラブの場所を設定する。あらかじめアプリ内には、4000ヶ所のスポーツクラブが登録されているが、それ以外の、ヨガ教室、格闘技道場、大学の体育館など、自分が普段のトレーニング場所にしている施設を、自由に登録することも可能。次に、自分がトレーニングに通う回数を、週1回以上の条件で決める。これで大方の設定は完了だ。

そして、毎回のトレーニングをする時には、現地のジムや施設に到着したら必ずiPhoneの GPS機能で“チェックイン”をすることが「トレーニングに行った」ことの記録になる。このチェックインが無ければ「トレーニングをサボった」とみなされて、登録されているクレジットカードから、1回サボる度に5ドルの罰金が決済される仕組み。

こうして、トレーニングをサボった人達から集められた罰金は、ジムに通った人達への報酬として分配される。具体的な金額は、「サボった人の数」と「通った人の数」のバランスによって変動するが、平均では、ジムに1回通うことで、0.5〜0.75ドルの報酬を得ることができる。週3回のジム通いを目標としている人が、一度もサボらずに4週間通い続ければ、6〜9ドルの報酬を得られるわけだ。

《GymPactの報酬と罰金の分配システム》

  

 GymPact(ジム・パクト)の仕組みは、ジム通いをサボる人が無ければ、報酬の分配金もゼロになるが、実際にそれは皆無であるため、真面目にジム通いをする人にとっては、些少でも報酬が得られることがモチベーションになる。また、罰金を科せられることでサボる人が減るのであれば、スポーツジムにとっては退会率を下げる効果に結びつく。

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この記事の核となる項目
 ●サボると損をするスポーツクラブの罰金プログラム
 ●行動経済学の理論に基づく賞罰システムの視点
 ●禁酒、禁煙を実行するための賞罰システム
 ●金銭以外で従業員を刺激する米国のボーナス制度
 ●現物賞与で伸びるコーポレートギフト市場
 ●NPOが寄付へのモチベーションを刺激する究極技
 ●カジノパーティ開催による資金の集め方
 ●カジノビジネスに賭ける欧州政府の思惑と新雇用の行き先
 ●電子ギフトカードの発行ビジネスと法人向けギフト市場の開拓
 ●ゲーム理論で動く才能集団の利害関係に基づく協業ビジネス
 ●企業よりも魅力的なNPOの収益構造と“非営利”の誤解
 ●優秀な社員に時間報酬として与えられる在宅勤務制度の動き


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