ビジネスモデル事例集
  
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  ホテル業界の強力なライバルとして浮上してきたのが、個人の自宅を旅行者に提供する「CouchSurfing」と「Airbnb」という仲介サイト。両者には、宿泊費が無料、有料の違いがあり、旅行のスタイルに応じて使い分けることができる。
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ホテル業界を浸食する
個人宅・宿泊プラットフォームの仕組み
written in 2012/3/18

 航空運賃の価格破壊が起こることで、旅行のスタイルも変化していくことは必然で、欧米では、できるだけお金をかけずに海外旅行にチャレンジする若者も増えてきている。

格安航空券とユースホステルなどの安宿を利用して、チープな旅行を楽しむ人達のことは、「バックパッカー」と呼ばれてきたが、その旅行ノウハウも、ネットやSNSの活用により進化してきた。その先導役となっているのが、「カウチサーフィン・プロジェクト」という世界規模の活動で、安宿に泊まる代わりに、無料で自宅に泊めてくれる相手をネットで探し出せるネットワークが広がっている。

CouchSurfing.org」のサイトは、家に泊めてもらいたい旅行者(サーファー)と、自宅を提供できる家主(ホスト)とを仲介するコミュニティになっている。ホストは、自己紹介のメッセージ、年齢・性別、職業、話せる言語、などのプロフィールを公開しており、サーファーはその中から、自分と相性が合いそうな人に宿泊依頼を出すことができる。

同サイトに、ホストまたはサーファーとして登録しているユーザーの数は、世界230ヶ国で250万人を超している。こうした登録者の多くは、異国の友達を作ることを目的にしており、宿泊先の提供に限らず、カフェやレストランで待ち合わせをして交流することもある。



この「CouchSurfing.org」は、非営利のNPO法人として運営されており、各登録ユーザーからの寄付を収入源にしている。寄付は15ドルから受け付けており、寄付をしたユーザーの公開プロフィールには「認証マーク」が表示されて、自分の信頼性を高められる仕組みになっている。特に、サーファー側にとって、「自分が信頼できる人物であること」の提示は、ホストに宿泊依頼を受け入れてもらう時に重要。

 カウチサーフィンは、ホスト側の善意により無償で泊めてもらうことができる仕組みだが、実際には、旅行者がお土産を持参したり、ホストに外食をおごるなどの気配りも必要で、相応の費用はかかる。それならば、個人間でも、ある程度はビジネスライクに、宿泊場所の貸し借りをしたほうが気楽で良いのではないか、という発想から生まれたのが「Airbnb(エアビーアンドビー )」というサイトである。

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この記事の核となる項目
 ●格安航空券とは何か?その種類と特徴
 ●エコノミー席でも多様な航空券の種類と販路
 ●旅行会社に取って代わるフライト検索サービスの台頭
 ●オンライン旅行業界で行われるアグリゲーションの仕組み
 ●ホテルより使い勝手が良いアパートホテルの活用法
 ●アパートホテルの採算構造と大家としての参入
 ●無銭宿泊を楽しむカウチサーフィンの旅行スタイル
 ●自宅を有料レンタルするためのプラットフォーム
 ●日本から仕掛ける海外旅行ビジネスの視点
 ●円高ユーロ安を好機と捉えた欧州ビジネスの狙い方と有望国
 ●世界最大19億人の市場を生む、ASEAN−中国自由貿易圏
 ●副業として家賃収入を得る大家業の実態と物件管理の業界構造
 ●オーバーブッキングで帳尻を合わすホテル客室の予約管理術


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