ネット直販で実現させる新スポーツリーグのビジネスモデル

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スポーツ番組のテレビ視聴率が下がる中、米国ではニッチなスポーツ種目のリーグ戦が、ネットから観戦できることで人気を集めている。ネットでファンを増やすことにより、実際の試合を見に行こうという人も増えて、ネット直販によるチケットの売上も伸ばすことができる。

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ネット直販で実現させる
新スポーツリーグのビジネスモデル

written in 2011/7/7

　米国では４大プロスポーツ（ＭＬＢ，ＮＢＡ，ＮＦＬ，ＮＨＬ）の他にも、女子プロバスケットボール（ＷＮＢＡ）や、サッカー（ＭＬＳ）など多くのプロスポーツがある。特に４大スポーツはテレビ中継や観客動員収入、グッズ販売によるビッグビジネスであり、スター選手の年俸は１０年契約で２億５２００万ドルという巨額になったケースもある。

その一方で、小さなプロリーグも存在する。野球やアイスホッケーなどの育成リーグや、ラクロスやボーリングなどマイナースポーツのリーグなどだ。娯楽の少ない地方の小都市に本拠地を置き、観客動員は数百人から数千人単位を目指す。地元のチームであることを強調し、地元企業の協賛を得たり、「チーム・ホテル」「チーム・レストラン」という形で地元業者と提携して、相手チームや観戦に訪れたファンを、顧客として誘導している例もある。

《スポーツチーム→地域業者への集客支援モデル》

　　

これら、地域のチームでプレーする選手の多くは「パートタイマーのプロ選手」である。選手たちは自家用車やチームバスで１０時間も移動して、敵地で試合を行うハードなスケジュールをこなすが、他に生計を維持するための仕事も持っているのが普通だ。

たとえば、女子ソフトボールは、「National Pro Fastpitch（NPF）」という独自のプロリーグを形成し、かつての五輪代表選手たちの受け皿を作った。フィールドを確保でき、気候は穏やかだけれども、大都市とはいえないフロリダ州や、イリノイ州、オハイオ州、テネシー州で４つのチームを作り、リーグ戦を行っている。ディズニーランド内にあるＥＳＰＮの球場は使っているが、テレビ中継などは行われていない。

このリーグは１チームの登録選手は上限20人までで、チームの年俸総額は上限で15万ドルと定められている。主力のメンドーサ選手によると、選手の年俸は8000ドルから５万ドル（約65万～400万円）の間だという。

リーグ首位のチームは、１試合でおおよそ1000人程度の観客を集める。選手は他の仕事と掛け持ちで、プロのソフトボール選手をしている。しかし、元五輪代表の多いこのリーグはレベルが高く、メンドーサ選手は「これまでで一番、タフな競技をしている」とコメントしている。このリーグの公式サイトでは、最初に寄附を呼びかけ、寄附してくれた人の名前を掲示している。Ｔシャツや用具、ピンなども細かく販売し、収益につなげようという姿勢が強くみられる。

（ビジネスモデル事例集一覧へ）

●スモール化する米国のプロスポーツリーグ
●スポーツチーム→地域業者への集客支援モデル
●リーグ経営に左右されるプロ選手の生活基盤
●プロスポーツチームの収益構造と問題点
●直販化するスポーツビジネスとＩＴの関係
●英才教育化する子どもスポーツ市場
●プロ選手が収入源にする、子ども向けプライベートレッスン
●メーカー目線からみた新スポーツビジネス
●無料ボランティア→有料コーチへの誘導方法
●子どもの才能を発掘して育てるサマーキャンプの事業モデル
●パーソナルトレーナーが主役のダイエットプログラム販売
●スポーツ選手に専門化した就職支援サービスの動向と可能性

JNEWS LETTER 2011.7.7
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