ビジネスモデル事例集
  
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  音楽やスポーツの観戦チケットがネットで購入できるようになったことで、チケット販売の利益率は下落して仲介業者のビジネスが厳しい状況へ追い込まれている。その一方で、イベント主催者は公式サイトからチケットを直販する新たな収益構造を築きはじめている。
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「ぴあ」の衰退と
米国チケットビジネス最前線との対比
written in 2010/6/4

 コンサートやライブイベントを成功させるにはチケット戦略が重要。どんなにクオリティの高いイベントでも、チケットを売るノウハウがなければ“興行”としては成功しないのだ。そのためイベント主催者は様々な方法でチケットを売り捌くのが通例であり、具体的には以下のような販路がある。

・主催者からの直販
・地域プロモーターからの販売
・プレイガイドへの委託販売
・チケット販売サイトへの委託
・企業スポンサーへの団体販売

主催者にしてみると、直販ルートだけで完売するのが望ましいが、チケットは在庫の価値にタイムリミットがある商品のため、イベント当日までに売り切るには協力者の助けが必要だ。そこで昔なら、各地方で強い宣伝力や人脈を持つ地域プロモーターが活躍していたが、今では「ぴあ」「ローソンチケット」「イープラス」のようなチケット販売業者が大きな力を持つようになっている。

これらの業者にチケット販売を委託するには、チケットの売上に対して10%前後の手数料を払う必要があるが、「ぴあ」だけで年間 900億円もの販売実績があるためコンサート主催者にとっては、この販路を避けることはできない。同社が取引している興行主催者は2万4千社、取り扱いイベント数は19万件、年間のチケット総発券数は4600万枚にもなる。

それなら「ぴあ」はチケットビジネスの勝者と思うかもしれないが、同社の業績は数年前から雲行きが怪しくなり、赤字の状況が続いている。ボトルネックになっているのは、増加するチケットの取扱数に追い付かない受注システムの問題だ。

《ぴあチケット事業の収支推移》



「ぴあ」のように、イベント主催者からの委託を受けて販売代行をするビジネスは、紙チケットをプレイガイド窓口で売る時代に登場したものだが、今では大半がオンライン購入であり、チケットの形態も紙から電子版へと移行しているため、米国では、委託業者を経由するのではなくて、イベント主催者が直販していく方式へとシフトしてきている。

それにより、主催者は委託手数料のコストをカットすることができるし、委託業者のシステムに依存しない、独自のチケッティング戦略を立てることが可能になる。たとえば、米メジャーリーグ(野球)の公式サイト(MLB.com)からは、30球団全試合のチケットを予約購入することができるが、その方法は、空きシートの中から希望する場所を指定して、購入枚数や購入者名などと、クレジットカード番号を入力すれば完了する、非常にシンプルなものだ。
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この記事の核となる項目
 ●デジタル音源を撒き餌に成長する音楽ライブ市場
 ●リアル会場への集客を主力にしたマネタイズの流れ
 ●電子時代に衰退するチケット委託販売ビジネス
 ●米メジャーリーグのチケッティング戦略
 ●チケット直販を起点とした音楽業界の再編モデル
 ●ダフ屋のいないプレミアムチケット市場
 ●公認チケット転売ビジネスの仕組み
 ●遊休のホール施設をマネタイズするチケッティング戦略
 ●大学フットボールに採用されるチケットの先物買いシステム
 ●メガヒットに頼れない音楽業界が生き残る二つの方向性
 ●市民スポーツを収益化する発想とウォーキングツアーの事業化
 ●ダフ屋だけではないサービス業界に広がるチケットビジネス


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JNEWS LETTER 2010.6.4
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