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  賃貸マンションに、生活で必要な家具や電化製品一式と家政婦サービスなども加えて、月額会費を支払う方式の「会員制マイホーム」が転勤族を中心に普及しはじめている。転勤者の住居費を負担する、勤務先の会社としても、会員制でレンタルできるマイホームは管理が容易で、数ヶ月単位から契約できるのが利点。
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使用料で払う会員制マイホームと
ハウジングソリューション
written in 2009/12/1

 住宅ローンの重荷を背負いたくないということであれば、賃貸住宅のほうが気楽だが、日本では持ち家よりも賃貸のほうが“格下”とみられる風潮があるし、将来(老後)のことが不安という気持ちもある。しかし仕事や家族の状況が昔よりも短いサイクルで変化していく現代〜将来にかけては、30数年以上にわたり同じ家に住み続ける人のほうが少なくなるだろう。今でも、一世一代の決心をしてマイホームを購入した直後に、会社からの辞令で遠方へ転勤になったという話は珍しくない。

都市部では持ち家組を含めても、同じ家に住み続ける平均居住年数は20年前後で、50年以上にわたり住み続けている世帯は全体の5%にも満たない。ということは住宅ローンの完済前に、家の売却や買い換えをするケースが相当数あるということで、結果的には賃貸よりも高いコストを払っていることになる。

それならば、賃貸住宅のプランをもっと充実させることには商機が見込める。既に、数年のサイクルで仕事の環境が変わるエグゼクティブ層のビジネスマンに向けては、六本木ヒルズや東京ミッドタウンのような高級賃貸マンションが人気で、“賃貸は持ち家より格下”という先入観は過去のものになっている。これからのライフスタイルとして、所得の変動に応じて住居も柔軟に乗り換えていくことは意外と堅実なプランなのかもしれない。

 ●従来型ライフスタイル:同じ仕事、職場に定着─→同じ家に住み続ける
 ●将来型ライフスタイル:仕事内容、収入が変動─→住居も柔軟に乗り換え

しかし賃貸住宅とはいえ、何度も住居を乗り換えれば、礼金・敷金や家具の入れ替えなどで無駄な出費が嵩んで“引っ越し貧乏”ということになりかねない。そこで近頃では「サービスアパートメント」という形態も登場している。これはマンスリーマンションの豪華版と言えるもので、高級賃貸住宅に家具や家電製品等の家財道具一式が備わっており、部屋の清掃やクリーニングの取り次ぎ、朝食サービスなどもオプションで受けられる。礼金・敷金の支払いはなく1ヶ月単位から契約することができ、水道光熱費やネット回線料なども月額賃料の中に含まれている。

六本木ヒルズの中にも、サービスアパートメントの形態は用意されており、リビング、キッチン、1ベットルームの間取り(約60平米)で賃料は70万円/月〜という設定。高価であることは間違いないが、都内の一流ホテルに長期滞在するよりはリーズナブルということで、外国人経営者などからの需要がある。

※賃料に含まれているサービスアパートメントの内容
 ・部屋の家賃(家具、家電製品、食器等は設置済み)
 ・冷暖房費
 ・水道光熱費
 ・インターネット利用料
 ・ケーブルテレビ料金
 ・ハウスキーピング料金(週2回)
 ・入居時の礼金、敷金は無し

サービスアパートメントを更に便利にしたのが、欧米にみられる会員制の「コーポーレートハウジング」というもので、メンバーになれば世界各地にある高級住宅を1ヶ月単位で利用できるようになる。たとえば、数ヶ月毎に各地域へ転勤するビジネスマンの場合、その都度アパートを借りるのは手続きが煩雑で引っ越しのコストもかかるし、ホテルに長期滞在するのも不便で割高だ。

そこでコーポーレートハウジングのメンバーとなれば、ホテルに宿泊予約するような手軽さで、次の住居を手配することができ、最低限の荷物だけで引っ越すことができる。ほとんどが法人会員としての利用だが、企業はこれまで転勤者に対して、社宅やアパートの用意をしてきたのを、コーポーレートハウジングへと切り替えれば、社員向けの住居にかかるコストを「一軒、一部屋あたりの維持費がいくら」という固定費から、「住居が必要な社員数×利用月数」の変動費へと軽減することができる。

《会員制コーポーレートハウジングの仕組み》

 

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この記事の核となる項目
 ●シェアハウスにみる新たなライフスタイル
 ●留学生向けホームステイファミリーとしてのサイドビジネス
 ●ホームステイのプランと料金体系
 ●日本におけるホームステイ仲介の可能性と潜在市場
 ●留学生向けホームステイ市場の構造
 ●家を所有しない会員制マイホームの発想
 ●会員制コーポーレートハウジングの仕組み
 ●不況とライフスタイル変化によるハウジングソリューション
 ●ダブルインカムを狙った家族法人による副業と家業の作り方
 ●ノーリスクで副収入を得るための着眼と長続きする副業の条件
 ●安い家賃で優雅に暮らすルームシェア・ゲストハウスの台頭
 ●高級サービスをウリにした隠れ家的商売と自宅店舗の採算
 ●労働環境の変化が後押しするマンション市場とマイホームの流動性


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