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格差社会に求められる新たな信用制度と
会員制ビジネス
written in 2009/10/8


 節約上手な主婦のサイフといえば、小銭が出しやすい長財布が定番で、買い物をする店によって1円玉や5円玉を上手に使い分けている。しかし近頃では小銭を持ち歩かない主婦も増えている。といっても、彼女達が浪費家というわけではなく、支払いをカード払いにすることで様々なポイント割引を受けられるためだ。クレジットカードと電子マネーが一体化してきたことで、買い物のスタイルは大きく変化してきている。

それなら現金は持ち歩かずに、買い物はすべてカードで済ませてしまったほうが「安全・便利・お得」という三拍子が揃うことになるが、それができるのは一部の消費者に絞られてきそうな流れにある。というのも、法改正によってクレジットカードの利用枠を、その人の所得状況に対して適正な範囲に収める“総量規制”が今年からスタートしたことが起因する。カードの新規申込みや更新時には、年収を確認する書類の提出が求められて、所得が少なければ利用枠を削られたり、カードを失効される人達が出はじめているのだ。

総量規制の目的は、クレジットカード乱用による自己破産を未然に防ぐ“消費者保護”にある。国民の所得水準が年々下がっている中で、カードの発行枚数や利用枠だけが増えていくというのはおかしい。そこで所得の状況に併せたカード利用の見直しをしていこうとするわけだ。

たしかに筋の通った話だが、厳格なカード審査が新たな格差社会を生み出すのではないかという指摘がされている。年収3百万円と1千万円の人では、カード会社の待遇は明らかに異なってくるだろうし、失業者はカードが持てないのか?という批判の声もある。クレジットカードは便利な生活のインフラとして欠かせないツールになっていく一方で、新たな信用社会を作ることになりそうだ。

商売では「すべてのお客様は平等に扱う」のが基本だが、これは店の雰囲気を壊したり、迷惑になりそうな客でも“平等に扱う”という意味ではない。そこは相手の機嫌を損ねないようにして、やんわりと来店を断るのが商売人のテクニックであり、京都のお茶屋のように「一見さんお断り」のシステムを伝統的に踏襲している業界もある。店の様式は違っても、銀座の会員制クラブも同じ信用システムを採用している。

消費者の要望は多種多様で、それにすべて対応していたのでは負担が重すぎて、店の経営が立ち行かなくなってしまうし、商品の数や提供できるサービス(席数など)に限りがあれば、何らかの方法で顧客を選別するしかない。

老舗のゴルフ場が利用者を“メンバー”に限定してきたのも、優良客に対するサービスの質を落とさないための配慮だが、現在ではその仕組みが、医療サービスや有機野菜の購入などにも応用されてきている。消費者が求めるステイタスは「モノを所有する=オーナーシップ」から「特別なサービスを利用できる権利=メンバーシップ」へと変化している中で、企業が築くべきメンバーシップ制の仕組みと、実際にどんな会員ビジネスが展開されているのかを掘り下げてみよう。
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この記事の核となる項目
 ●VIP客だけを相手にする会員制医療サービス
 ●顧客を限定した米国の会員制病院の収益構造
 ●会員組織を形成する農業ビジネスの仕組み
 ●農家と消費者による提携ビジネス
 ●メンバーシップ機能をビジネスにする発想
 ●教会が導入するオンライン会員制サービス
 ●オーナシップからメンバーシップへ変わる信用の築き方
 ●オープンにされない紳士クラブの存在とインナーサークル
 ●消費者をオーナーとした会員制市民農園の新事業プラン
 ●クレジットカードのポイント特典は誰が払っているのか?
 ●格差社会に仕掛けられた"勝ち組"の虚像と真の顧客ターゲット
 ●優良顧客を主体にニーズが高まるプライベートサービスの波


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